◆先日、大阪へ行った際に立ち寄った「ANAクラウンプラザホテル大阪」のロビー。
リニューアルオープンから4年が経ったが、いつ訪れても新鮮な印象を受ける。
この空間は、複雑な凹凸、照明のメリハリ、鏡面の多用によって、空間の輪郭が把握できないようにデザインされている。それゆえに、見慣れてしまうことがなく、何度見ても新鮮さを覚える。
デザインを手掛けたのは、デザイン事務所「キュリオシティ」を率いるグエナエル・ニコラさん。ニコラさんは、フランスに生まれ、東京に事務所を構えるデザイナー。
ニコラさんは、デザインを手掛ける時に、二つの世界観を融合させて一つの空間を生み出すという方法でアプローチすることがある。この空間では、「日本的な要素」と「未来的な要素」が組み合わせられているように見える。他のプロジェクトで言えば、パリの高級カバンショップ「モアナ」では、「ヒストリー」と「モダン」の要素を融合させ、先日リニューアルオープンしたルイ・ヴィトン銀座並木通り店(の1、2階)では、「ルイ・ヴィトンの文化」と「日本の伝統文化」を融合させた。
それにしても、ホテルのエントランスロビーに客が入った瞬間に、客の心をいかに高揚させられるかは、とても重要なポイントである。このロビーは、大変参考になる。
「ANAクラウンプラザホテル大阪」の詳しい情報は、商店建築2009年03月号に掲載。もう4年近く経ってしまったので在庫がないかもしれませんが。。。
http://www.shotenkenchiku.com/products/detail.php?product_id=109
http://jp.anacrowneplaza-osaka.jp/
◆こちらは、同じくグエナエル・ニコラさんがデザインした、高級革製品ブランド「Berluti(ベルルッティ)」の大阪梅田の店舗。今年オープンしたお店。
ベルルッティの革製品に見られる、こすったような独特の深い色味。それを、空間デザインに援用している。店内には、靴を巨大化したような愛らしいオリジナルのソファも置かれている。