2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『建築の解体』(磯崎新/鹿島出版会)を読む。

なんと濃密な書だろう。発刊から40年近くを経た書物ですが、いま読んでも抜群に面白い。脚注の一つひとつまで充実しており、恐ろしい密度です。 近代建築と現代建築に関する基礎的な予備知識がないと読みにくいかもしれませんが、文章自体は明快で、建築を専…

『他人の顔』(安部公房/新潮文庫)を読む。

顔という社会的な記号は、どのように機能しているのか。私たちの日常生活やコミュニケーションは、顔にどのように支配されているのか。そんな顔の意味を、顔を失った主人公を通して考えてみるという、思考実験の様相を呈した小説です。 小説というより、ほと…

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(村上春樹/文藝春秋)を読む。

読んでよかった。出会ってよかった。そんな作品でした。 私は、赤鉛筆で線を引きながら本を読みます。小説を読む時でも同様です。本書を読み終えて、見返してみると、なんと、ほぼすべてのページに一箇所以上の赤線を引きました。宝物と呼べる一冊になるかも…

『舟を編む』(三浦しをん/光文社)を読む。

この作品に引き込まれる人と引き込まれない人、両者は大きく分かれるのではないか。それが、読後感です。なお私は、ある程度引き込まれました。 では、なぜそうなるのか。 その理由を解明するために、「気に入った点」と「気に入らなかった点」を一つずつ挙…

商店建築オフィシャルブログ、更新いたしました。

今回もお伝えしたいことが多く、ちょっと書き過ぎてしまいました。。。 5月号の目玉特集は「情報整理の空間デザイン」。副題は「商品陳列のシステムをいかに考案するか」。 ショップやショールームの空間デザインにおいて、商品をどう見せるか。その手法を、…