いよいよ明日、5月28日、商店建築 増刊号『コンパクト&コンフォートホテル設計論』(税込2,600円)が発売になります。


「コンパクト&コンフォートホテル」とは、「進化したビジネスホテル」。
現在、日本全国で、ビジネスホテルや宿泊特化型ホテルが進化しています。気持ち良くて、快適で、機能的で、スタイリッシュで、リーズナブル。従来のビジネスホテルの枠に収まらない。「レム」「グレイスリー」「ブライトンシティ」といったホテルブランドの名を聞けば、具体的な空間イメージが浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
そんなホテルが「コンパクト&コンフォートホテル」です。
 
本書のコンセプトは、「設計の考え方」にスポットを当てる、です。
たしかに図面や写真が多数載っています。しかし本書は、図面集でも、写真集でもありません。
図面集や写真集は、弊社からも他社からも便利な資料が何冊か発刊されています。デザインの参考になります。
ですが今回は、そのデザインに至るまでの「思考のプロセス」のほうにスポットを当てました。
「どうしてこういうデザインになったのか」
「どこを変えれば、ホテルデザインが変わるのか」
「現在、どこまでのことが考えられていて、どこから先にデザインの可能性が開けているのか」
「施主へのプレゼンテーションの際に、設計者はどんなロジックで語ればよいのか」
そんなことを一冊に整理しよう。そうすれば、設計者や開発者の方々にとって、基礎資料や論点を整理する手間が省ける。すぐに発想に取り掛かることができる。
 
そう考えて制作したのが、本書です。
著者は、多くのホテルを取材してきたホテルジャーナリストの永宮和美さんです。
 
以下のような記事を、1冊に詰め込みました。
「ホテルデザイナーによる座談会」
「5組の建築家やデザイナーが、ホテルコンペでのプレゼンテーションを誌面で再現」
「13の切り口で考えるビジネスホテル&宿泊特化型ホテルの論点」
「プロデューサーからの提言」
「ベッドメーカー&家具メーカー11社のイチオシ製品レポート」
 
これまでホテル設計を手掛けてきた方や、これからホテル設計に挑戦したいとお考えの方は、全国の書店でご覧になってみてください。
編集部に刷り上がったものが到着しましたので、少し中身をご覧ください。



通常の「商店建築」よりも、少しゆとりを持たせたレイアウトにしたり、図面を大きめに載せたりしています。というのは、この宿泊特化型ホテルの分野は、今、とても変化のスピードが速いからです。
本書を手にとってくださった設計者や開発者の方々それぞれが、これから2、3年の間に、本書の記事にヒントを得たり、実務の中で新たな発見があったりするはずです。デザインのトレンドも変わっていくでしょう。
そんなとき、一人ひとりの読者のかたが、その気付きを本書の余白にどんどん書き足して、時流の変化に対応しながら、自分だけの「オリジナル参考書」にしてもらえたらよいのではないか。そうやって本書を“使い倒して”もらえたら便利なのではないか。そう考えたからです。
オリジナル参考書ができる頃には、本書の読者の方々が、さらに新しい創意に満ちた「コンパクト&コンフォートホテル」を設計されていることと思います。そして、そのホテルを、また取材したい。
その頃には、ホテルデザイン業界の知恵もバージョンアップされているでしょう。ならば、また本をつくります。このバージョンアップのサイクルの中で、少しでも役に立つ資料を提供していく。それが、実務書をつくる歓びであるように感じています。
 
まずは本書で。
最新の論点をつかみ、次へのステップとして活用してください。

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