あうら橘 SplitzAoyama RIGOLETTO

行動記録の更新を1カ月くらいサボってしまった。主要なトピックだけまとめて書き残しておこう。

■先日、ふと思った。「愛情」とは、多くの場合、「愛着」のことなのではないだろうか。

■2月にシンポジウム「カワイイパラダイム2」へ。トップバッターの真壁智治さんが、「カワイイ」を多角的に言語化し、議論の土台を整える。五十嵐太郎さんは、「カワイイ」というキーワードから連想される建築やデザイン関連のネタを次々列挙し、オーディエンスを刺激する。歩くデータベースのような人だ。その他にも示唆的な講演があり、どこか雑誌を読んでいるような楽しみを味わう。
http://www.ozone.co.jp/business/design_report/index.html

■自由が丘「京乃臣」にて久しぶりにお好み焼きを食べる。

■自由が丘「SODAカフェ」へ。10年以上前から店の存在を知ってはいたが、なぜか入ったことがなく、初めて入る。半地下の居心地のいい空間。サービスも適度で気持ちいい。
http://homepage3.nifty.com/cafemania/01cafe/jygk_soda_photo.html

■ご飯を100回噛むと、どうなるのだろうか。と、ふと思い立ち、ランチのときに実践してみる。ご飯は100回くらい噛むと自然に口の中からだいたいなくなる。キャベツの千切りは、200回くらい噛むと自然に口の中からだいたいなくなる。よく噛むと、その代わり、食後3時間くらいして、急激に空腹になる。お餅を食べた後も数時間後に急激に空腹になるが、同じ理由だろうか。おそらく胃に滞留している時間が短いのだろう。

■オフィスにて、次号のレイアウト、取材日程の段取りなど。

■編集プロダクションの方とフリーエディターの方とランチをしながら、企画の御提案をいただく。大変興味深い。ぜひ実現したい。

■センチュリーホテルのカフェにて、百貨店のディスプレイデザイナーの方とお話。そのお仕事が、建築や店舗内装のデザインと異なる点は、現場設営時に変更を加えながらつくりあげていくライブ感かもしれない。つくる空間の規模が大きくなればなるほど、あるいは、製作物の構造が強固になればなるほど、現場での変更は効かなくなり、ライブ感は減るだろう。あと、クリスマスシーズンのNYの百貨店のディスプレイは参考になるとか。

■佐藤総合計画の渡辺さんと、2年ぶりくらいにお会いし、名古屋と大阪の新しいプロジェクトのお話を伺う。予備校を設計することは、「学校」の設計よりも、むしろ「病院」の設計に近い気がするというのは、興味深い。それは、「行きたくて行く施設ではないが、行くからには、いくらかのリラックスや楽しさのある空間を提供したい」と考えて設計するからだとか。

■久しぶりに、原宿の「じゃんがら」ラーメンへ。面が細くてあっさりしていて、好感。
http://www.kyusyujangara.co.jp/shops/harajuku.htm

■Dコンセプト竹村さんの事務所へお邪魔する。近作のお話を伺う。限られたコストをいかに「選択と集中」するかのテクニックなど、大変気さくにお話してくださった。
ちょっと長居していたら、事務所内でインテリアプランナー協会のミーティングが始まってしまい、いろいろな方々を御紹介いただく。

■箱根湯本の温泉旅館「あうら 橘」へ撮影取材。
新宿から90分と、大変アクセスがいい。温泉、料理、サービス、アクセス、と四拍子そろった温泉旅館。屋上テラスの露天温泉は、最高に気持ちいい。
スタッフの方々は若々しく、サービス業が好きだという気持ちが前面に出ていて、近すぎず遠すぎず、爽やかなサービス。社長も、穏やかで気さくな方で、お客さんとのコミュニケーションを大切にされているようだ。
撮影中に、「あうら 橘」がテレビ番組で紹介されていた。番組が終わる前に予約の電話が鳴り始め、電話が鳴り止まず。テレビの影響力はすごい。
スタッフの方々に多大なご協力をいただき、無事撮影終了。
今度は仕事ではなく、リラックスして行きたい。

■板橋にて、いつもお世話になっている凸版印刷さんの作業場を見学。写真修正の作業などを見学する。

編集部と出版社で写真の色味のコンセンサスを取るのが難しいという話などになる。モニター画面のチューニング、部屋の照明などの環境でも、色は異なって見えるからだ。
ちなみに、アメリカ人の眼は、黄色を強く認識しやすいらしい。だから、日本人を見ると、だいぶ黄色く見えるため、イエローモンキーという蔑称が生まれたそうだ。確かに、アメリカの子供は太陽の絵を描くときに黄色で描く。日本人はだいたい赤で描くが。
余談だが、このあたりは、凸版や大日本印刷の工場があったため、第二次大戦時も空爆を受けなかったとか。アメリカは、占領地を統制するために出版が重要なツールになると見込んでいたというわけか。

■新宿西口の「墨檜」でランチ。週末だったので、ちょっとのんびりランチ。席間隔は狭いのだが、なぜかゆったりできる。美味しい。
http://www.shinjuku.or.jp/suminoe/

■「ラ・ベットラ・ペル トゥッティ」にて歓送迎会。長らくお世話になった社内のデザイナーさんが交替。こうしてメンバーが徐々に入れ替わっていく。
場所を移して数人でちょっと飲んで、解散。
http://www.nomura-shop.com/restaurant/rabbetora.html

■連載の取材で、アビリティー朝里さんの事務所へ。
今回は厨房専門業者の方やドリンク部門の専門の方も助っ人でお力添えをいただき、充実した取材。図版たっぷりの記事にしよう。

■連載の取材で、BACH幅さんの事務所へ。

ICCにて「ディーナー&ディーナー」展を見る。渋い展覧会だが、見ておいてよかった。こうして周辺の景観に馴染ませるという設計の仕方は、周辺の景観が今後も当分変わらないだろうという信頼がベースにあるはずだ。ヨーロッパらしい試みだと感じる。
ひるがえって、首都の中心地である東京駅周辺の景観ですらこれほど急激に変化してしまう国だったら、ディーナー&ディーナーのような試みは難しそうだ。
http://www.operacity.jp/ag/exh102/

■東京ビックサイトにて、「ジャパンショップ」「ライティングフェア」などへ。LED業界が相変わらず盛況。演色性を競ったり、従来の電球と見まがうような全方向に光を放つ器具が披露させたり、LEDは特別な光源ではなくなってきたようだ。これから日常生活の空間へもますます進出してきそう。
http://www.shopbiz.jp/?PID=0003&TCD=JS

■青山のDIESEL DENIM GALLERYにて、GENETOコ〜ジさんと待ち合わせ。開催中のインスタレーションの話を伺う。家具以上建築未満というようなスケール感に、GENETOらしさを感じる。こうした場を提供するDIESELさんの度量も素晴らしい。
http://geneto.main.jp/column/184/column_184.htm
http://www.diesel.co.jp/denimgallery/index.html

■久しぶりに、ランチ会を開催。デザイナーさんやプランナーさんなど11人で賑やかに。毎回、半数以上のメンバーが入れ替わる。
スイスのチョコレート会社の話など夢のある話や、マンション経営など、リアルな話など諸々。

■下丸子にて、サローネ2009のCANONの出展概要を聞く。桐山さん、平田晃久さん、松尾高弘さん、粟辻さんほか。緩やかに不均質に区切られながら連続する平田さんらしい空間に、インタラクティブアーティスト松尾さんの映像が映される。エフェメラルな空間が実現しそうだ。
http://web.canon.jp/pressrelease/2009/p2009feb12j.html

■取材の電話やメールをして、編集部の数人とちょっと飲んで帰宅。

虎ノ門にて、パーティーで、編集者、ライター、カメラマン、イラストレーターなどの方々20人くらいとお会いする。気さくな方ばかりで、あっという間に数時間が過ぎる。主催者の白木さん、素敵な場を提供していただき、ありがとうございました!

■建築家の佐野修さんの事務所へお邪魔し、お話をうかがう。地元の石材や木材を活かしたウナギ屋さんのリニューアルなど。

■菊竹さんの住宅「スカイハウス」を外から見る。
1階のピロティーだった部分は、増築され、室内化されていた。メタボリズムの理論どおりにいけば、こうして増築されることこそ、想定された姿のはずだが、やはり竣工時のほうが魅力的に見える。ご自宅の目の前に同氏の事務所ビルがあった。

建築でも店舗インテリアでも、可変性の高い空間という提案をよく見掛ける。増築可能な建築とか、可動什器のある店とか。しかし、増築したり什器を動かしたりすると、残念ながら、竣工当時の美しさから遠ざかっていくケースが多いように思える。ということは、可変的な空間を提案するときは、システム自体を発明するだけでなく、そのシステムを用いて変化させた後も、竣工時と同じかそれ以上の美観を保つデザインを発明しなくてはならない。

鳩山会館も見学。個人邸とは思えないほど、玄関や応接ゾーンが充実しており、さすが元首相の邸宅。それとも、このクラスの政治家の自宅というのは、このくらいパブリックゾーンが充実しているものなのだろうか。
1階は、廊下を挟んで南側に社交の空間、北側に台所などバックヤード的な空間。そして1階は比較的パブリックで2階は寝室などプライベートな空間という明快なプランニング。ただ、洋館のため天井が高く、天井の高い和室というのは、妙に寂しい気がした。
http://www.hatoyamakaikan.com/

■会社の同僚から出版業界で「ボーイズラブ」なるジャンルが隆盛していることを聞く。
09年3月19日付けの出版業界紙新文化」の記事によれば、その主要顧客は20〜40代の女性ということだが、どういう性向の人が読むのか、なぜゆえにマーケットが広がっているのか、興味深い現象だ。
wikiの説明によれば、「ボーイズラブに該当する作品の多くが現実の同性愛を描いているというよりは女性の理想の恋愛像を描くことが多い」という。ということは、相手の複雑な感情の機微に思いをめぐらせたり、時間と気遣いを使って手順を踏んでいかねばならない現実の世界の男女関係を忌避し、その代替として、仮想の世界の「ボーイズラブ」を消費しているのかもしれない。あくまで、想像だが。
http://www.shinbunka.co.jp/

■溝口丸井でブティックを下見。

■編集プロダクションの方と打ち合わせ。

■エディトリアルデザイナーさんと打ち合わせ。軽い打ち合わせのはずが、旅行の話などがはずみ、1時間半。

■青山のバー「SplitzAoyama」へ。2009年3月号にて取材させていただいたので(担当は僕ではなかったが)、一度行ってみようと思っていた。
フードが大変美味しい。お酒も少々飲んで、一人4000〜5000円くらい。スタッフの方の対応もよく、イスも座り心地がよく、大変よいお店。人に薦めたくなるお店だ。
http://r.gnavi.co.jp/g045635/

青山一丁目の高級マンションの一室にて、「ARMANI/CASA」の家具コレクションを見る。行灯のような照明器具や和風柄のソファカバーやら、アジアンテーストの家具が多い。住宅だけでなく、ホテルや飲食店やクリニックのラウンジでも使えそうだ。
一つ360万円の限定生産の棚は、スタッコが塗られており、家具でありながら、建物の一部のよう。

■「RIGOLETTO SHORT HILLS」へ。
インテリアの設計者は、同店の六本木ヒルズ店と同じくSWeeT佐野岳士氏。
ロッコ料理を謳っているので、どんなものかと思っていたが、イタリア料理とスペイン料理を中心として、全体に多様な香辛料を使った料理であった。どの料理も大変美味しい。スタッフの方々のサービスのタイミングや商品知識も優れており、また、店内の居心地もいい。ぜひまた行きたいお店である。
結婚式の二次会など、貸切パーティーにも向いていそうだ。中目黒駅から徒歩5分くらい。
先日の青山「splitz」と同様に、こちらも気軽にリピートしたい飲食店であった。
http://r.gnavi.co.jp/e296600/
http://www.sweetdesign.jp/

ネクストエム中川さんと240西尾さんから、近作のお話を伺う。
地方には、客室が100室ほどでも、宴会場が計1000平米以上あり、地元の宴会をメーンターゲットとするホテルがあるようだ。

■オフィスで、次号の製作作業など。
昨年6月から放置していた名刺の整理をする。2時間近くかかったが、またこれで名刺検索がラクになる。名刺の整理方法としては、名刺にお会いした日付と場所と簡単なメモを書き、お会いした順に時系列で並べている。

■青山のブティックにてインスタレーションの撮影。

■渋谷Bunkamuraオーチャードホールにて、家族や知人と「ランディ・クロフォード、ジョー・サンプルトリオ featuring スティーヴ・ガッド」のライブを聴く。前半はジャズっぽかったが、ランディ・クロフォードのヴォーカルが入った中盤から、アップテンポのブルースみたいな曲が多くなり、気持ちよく音楽を堪能。
ライブを聴きながら、「時間が時計のように直線的に流れているのは錯覚だと最近思うが、それなら、どうして人間は音楽を聴くことができるのか」を考える。

■その後、「TANTO TANTO」にて食事。グリルやパスタが美味しい。
http://r.gnavi.co.jp/g188300/?no=

■再びRIGOLETTO SHORT HILLSにて、ライターの方とランチ。
神社の歴史などを教わる。お話していて企画ネタが浮かぶ。
ホラー小説のお話も少し聞く。ホラー好きなかたには、『入らずの森』(宇佐美まこと/祥伝社)がオススメだそう。

隈研吾建築都市設計事務所にお邪魔し、担当者さんにパリの店舗のお話を伺う。ついでに雑談で、隈さんのどこがすごいかなども伺う。
http://www.kkaa.co.jp/

■青山「OFFICINA di Enrico」にてランチの会。編集関係の方にお集まりいただき、10人くらいで賑やかにランチ。
「チャレンジ・パスタ・ブッフェ」というランチコースが、楽しくて美味。パスタ、ソース、食材を自分で選ぶことができる。前菜のサラダが、とても健康的で新鮮な味わい。
http://www.officina.jp/index.html
http://www.officina.jp/pasta_buffet.pdf

■帰社して、オフィスで入稿準備。

ベイリーフさんの事務所へ。久しぶりにお邪魔したら、拡張移転して、事務所が少し広くなっていた。
http://www.bayleaf-design.com/

■表参道の複合ビル「AO」の内覧会へ。
カフェ風のカジュアルな飲食店、中高年をターゲットにしていると思われる歩きやすい靴のショップなど、ちょっと青山らしくないリーシング。若い層はお金を使わない時代だろうから、こういうリーシングもいいのかもしれない。
一方で高級メガネ店なども入っている。
5階のレストランのテラスは、気持ちいい。ワインでも飲みながら貸切パーティーをしたらよさそうだ。
1階の「PATRICK COX」は目を引く。
http://www.ao-aoyama.com/

ルイ・ヴィトン表参道のホールにて、グエナエル・ニコラさんのインスタレーション「LIGHT-LIGHT IN TOKYO」を見る。
昨年のミラノサローネでのインスタレーションを再現。木村敏の言葉を使えば、「もの」より「こと」に近いデザインで、そこがニコラさんらしい。

■トーヨーキッチンスタイルのショールームのオープニングへ。
ダリの絵に登場するイスを実際に製造しているメーカーがバルセロナにあり、そのイスが展示されていた。約170万円ほど。
http://www.toyokitchen.co.jp/news/index.html

福井県のメガネブランドが終結した「GLASS GALLERY 291」へ。ゆったりした店内。
http://www.gg291.com/

コクーンタワーの「BLUE SQUARE CAFE」にてホットドッグを食べる。フランスパンのようなパンを使っており、珍しい。ホットドッグがあまり好きでなかった僕でも、これなら頻繁に食べたい。これから、ときどき昼食に使おう。
店内には複数のタイプの席が用意されており、みんな思い思いに過ごしている。この光景を一言で言えば、「都市的」ということになるだろう。
空間の設計は、mattさん。
http://www.transit-web.com/shop/cafe/blue-square-cafe/

■建築家のpierluigiさんとメールをやりとりする。ご本人からとても丁寧なメールを素早くご返信いただく。大変気さくな方のようだ。ぜひいつかお会いして取材させていただきたい。
http://www.pierluigipiu.it/

■赤坂のドーナツショップ「Neyn」の取材でお世話になったミリグラムスタジオさんから、2店目のオープンのお知らせをいただいた。
東京ミッドタウン ガレリアB1に、1年間の期間限定ショップとして「Neyn」がオープンしたそうだ。
設計はミリグラムスタジオさん、アートディレクションはHester Fellさん。六本木へ行った際にはここでドーナツを食べよう。

■入院中の祖父のお見舞いへ。看病というのは、夫婦や家族でないと難しいものだと実感する。そして、看病という作業を他人にアウトソーシングするとしたら、大きな金銭的コストが必要になるのも無理もないと感じる。夫婦や親子における看病という行為は一見すると当たり前のように見えるかもしれないが、それが「当たり前のように見える」という事実に神秘性を感じる。
「愛情という感情は合理性を超える」と以前にも実感し書いておいたが、結婚という制度や何十年も一緒に暮らしたという経験の共有が、ときとして、愛情の非合理性をさらなる彼方へと押し進めるのかもしれない。

■先日の連休に、刺激的な数冊の書籍に出会ったことと、ゆっくり考える時間を持てたことで、「時間」と「〈私〉」という二つの問題について、少し考えが進んだ。収穫だ。詳述すると長くなるので、省略するが、検証を重ねた後、その考え方の妥当性を誰かに相談してみよう。

■Massimiliano and Doriana Fuksas さんの事務所からリリースメールが届く。
ニューヨークFifth AvenueにARMANIショップがオープンしたという話。

■ところで、どんなにデジタルテクノロジーが進歩しても、紙媒体の本は当分、滅びない気がする。それは利便性の観点からではない。「紙に印刷された文字を読む」という行為自体に、(ある種の)人は身体的な快楽を味わうからだ。そういう人間は、どのくらいの確率で存在しているんだろう。

■こんな高校生向けのサイトがあった。インタビューが面白い。
http://www.mammo.tv/interview/archives/no176.html
五味太郎さんのが気に入った。