教育費の無料化 体験型プログラム 林家三平

ここ数日。

■2009/06/10付けの夕刊を読んでいたら、偶然だろうが、日経新聞朝日新聞に似たような主張のコラムが載っていたので、目にとまった。その主張とは、一言で言えば、欧州諸国では幼稚園から大学院までの教育費が無料の国もあるのに、日本はなぜ教育費がこんなに高いのか、という内容であった。

日経新聞に書いていたのは、経済学者の佐和隆光さん。
朝日新聞に書いていたのは、フランス文学者の白石嘉治さん。

佐和さんは、「日本を人材立国にしようとするのなら、親の貧富と子供の受ける教育との因果の連鎖を断ち切るべきだ」と言う。所得格差が学問へのアクセスの公平性を阻害してはならない、というわけだ。経済学者らしい着眼点と言えるかもしれない。
白石さんは、「大学であつかう認識や感情の表現が売買できない性質のものである」ため、「物質的な財とは異なり、厳密には交換のロジックになじまない」と言う。学問の場でやりとりされるコンテンツは金銭的に売り買いされるような種のものではない、というわけだ。文学者らしい着眼点と言えるかもしれない。

どちらの意見にも賛成である。もちろん、もし日本でも教育費の無料化が実現したら、僕たちが納めるべき税金は更に増えるかもしれない。けれど、それは、豊かな社会を運営していくために社会の成員が払うべきコストなのだと思う。そして、誰もが我慢せずに好きなだけ学問の場にアクセスし、受けたい教育を受けられる社会になれば、社会の成員が払ったコスト以上の得るものがあるように思える。定量的な計算で実証できないから、希望的観測でしかないが、そう信じている。

■旅館の設計を得意とする建築事務所の方と打ち合わせ。これからは、リゾートや温泉も、コンテンツやプログラムでアピールする時代になるかもしれない。和風ホテルや「別邸」「離れ」系の温泉旅館もそろそろ均質化し飽和している印象がある。次は、体験型プログラムに注目してみよう。
そうえいば、こんな施設のお知らせも届いていた。http://www.yutomori.com/facilities/

■毎日、入稿作業。
■編集会議。今後2号分くらいの内容を確認する。

■新作プロダクトに関して短いコメントをいただくため、橋本夕紀夫さんに電話でお話を伺う。
わずか数分の中で、実にスピーディーかつコンパクトに、そしてイマジネーション豊かにコンセプトの核を語っていただく。橋本さんのような人は、いつでも瞬時に自らの作品をプレゼンテーションできるよう、つねに頭の中が整理されているのかもしれない。そして、もっと言えば、作品の製作過程で様々な調整作業や雑務が生じたとしても、最後まで「コンセプトの核」(あるいは、やりたいこと)をブレさせないで製作しているからこそ、他人に質問をされた時に、瞬時にクリアにコンセプトの核を語れるのだろう、と感じた。

■目的の分からない不思議な打ち合わせが一件。

■編集長と次号企画の打ち合わせ。内容が固まる。あとは、取材と執筆を御願いするライターさんに事前資料を用意したり、取材先の方に事前質問をお送りしたりしておこう。

■記事の取材執筆を御願いさせていただくライターさんと打ち合わせ。

■週末は、行きたかったARMANIのオープニングレセプションなどに行けず、残念。

■知人のパーティーへお邪魔し、電通、お世話になっているPR事務所、プロダクトデザイナー、建築家、店舗デザイナー、構造設計者、建材メーカー、CGデザイナーの方々にお会いし、お話する。あっという間に2時間半くらい過ぎる。

■最近、若者にしか聞こえないモスキート音を発して、コンビニの前などにたむろする若者を追い払おうとしている自治体があるようだ。ネットでモスキート音を視聴してみたら、14000Hzくらいがギリギリ聞こえるようだ。自分も撃退されてしまうのだろうか。
http://itsd210.s24.xrea.com/ja/mosquito_sound/

■『昭和の爆笑王 ご存じ 林家三平傑作集』(ねぎし三平堂/毎日新聞社)を読む。
林家三平がステージで披露した漫談と、こまごましたネタが収録されている。漫談の台本とネタ帳を合わせたような本。読みながら、声を出して大爆笑してしまった。外で読んでいたら、危険である。
バカバカしいダジャレや親父ギャクもたくさん載っているが、同時に、とても素人には思いつかないような高品質なユーモアも多数登場する。M1グランプリに登場する若手など足元にも及ばない。

ちょっと大袈裟に言えば、本書から笑い話のエッセンス(あるいは、構造)が読み取れる。例えば「誇張」「反復」「自己矛盾」「デフォルメ」「置き換え」など、冗談や笑い話の構造には類型があると思うが、本書に収録された一つひとつのネタがシンプルで原型的なせいか、それらの類型が読み取りやすい。だから、「人はどういう場合におかしみを感じて笑うのか」について考えるいいきっかけとなった。

なお、前半は大変面白かったが、後半のニュースコントは無理やりの感があり、少々面白みに欠ける。価格は、もう少し抑えたほうがいいかもしれない。

昭和の爆笑王 ご存じ 林家三平傑作集

昭和の爆笑王 ご存じ 林家三平傑作集