ビジネスホテル マダラカフェ広尾 働き方

ここ2週間くらい。

■取材にて、BACH幅さんの事務所へ。
帰社途中に、書店で資料を探したり、ライターさんや同僚に最近薦めてもらった本もついでにチェックしたり、デザイン関連の雑誌をチェックしたり。

新宿マルイへ。最上階にはビュッフェ。屋上には、こじんまりとしたキレイな屋上庭園がある。訪れる人は皆、「すご〜い」「きれい」と言っていた。百貨店やデパート計画の古典的なセオリーである「シャワー効果」として機能するかもしれない。

門前仲町にて、デザイナーさんへ取材。廃工場を複合飲食施設にするプロジェクト。

■朝、水道橋にてミーツポートに立ち寄る。グリーンがいい状態になっている。以前、取材させていただいたときは、冬だったので、グリーンが少なかったが、今はとてもきれい。天候もよく、多くの人が、木漏れ日の下で思い思いに過ごしていた。設計者の思い描いた使われ方だろう。
■その後、「庭のホテル」のオープニングレセプションへ。
http://www.hotelniwa.jp/
■表参道へ移動し、カンメイオフィス矢野さんに取材。
AOの「カフェ ラントマン」でライターさんと打ち合わせ、原稿の構成を練る。
それにしても、ラントマンのテラスが最高に気持ちよかった。気温、湿度、天候が完璧で、こうした環境は、人為的な空間デザインを後景に退かせてしまう圧倒的な強さがある。
http://www.geocities.jp/kanmei_office/index.html
http://www.ao-aoyama.com/shops/4f/04.html
■いくつか店を見て、帰社して、色校チェック。

■「『10+1』 DATABASE」なるものを見てみた。検索性も高く、素晴らしい。広告は入っていないようだが、このシステムを製作し維持するコストはどのように捻出されているのだろうか。
http://tenplusone-db.inax.co.jp/

■久しぶりに「東京スンドゥブ」でスンドゥブを食べる。
http://www.tokyo-sundubu.net/top.html

■某大学の先生に取材。価値ある建築を補修しながら使い続けるための法制度の問題などをうかがう。

■旅館やホテルの設計を専門とする設計事務所の社長さんと打ち合わせ。2時間半くらいじっくり粘ってお話を伺い、後半、面白いネタを出していただき、記事のアイデアを得る。お忙しい中、いつも丁寧にいろんなこと旅館事情などを教えてくださり、大変感謝。

■あるシンポジウムを聴講。若い世代の人々が会社の仕事で忙殺されている社会では、彼らが社会問題に取り組む余力すらない、という一見当たり前のような話も出たが、結局それが最大のネックだと思う。

■編集長と次々号の記事の相談や報告。方向性が見えてくる。

東中野にて、建築家さんに取材。ビジネスホテルはガチガチにシステム化されて運営されている業界だから、今までになかった新しいデザインを実現するには、オペレーションまで見直してその代替案を提案せねばならない。やれることは、いろいろ残っていそうだ。

■表参道にて、設計施工事務所ギャルドさんと打ち合わせ。
http://www.garde.co.jp/
アニヴェルセルカフェでコーヒーを飲みながら、聞いた話をまとめて、どのあたりが記事化できそうか復習する。

■デザイナーのイノウエソウジロウさんとミネルバの北野さんにお話を伺う。デザインする際に「形態を生み出す根拠を何に求めるか」という興味深いお話を聞かせていただき、盛り上がる。ちなみに、イノウエさんは数学的な解析を一つの手がかりとしていていた。

■知人のパーティーに顔を出させていただく。賑やかな会で、旅行代理店、広告代理店、貿易会社、流通業、保険会社、医師、弁護士事務所の方々などなど、多様なジャンルの方とお話しつつ、飲む。

■知人の建築家、湊さんから、「マダラカフェ広尾」をオープンしたというお知らせをいただく。
http://www.madaracafe.jp/

■今週は入稿の準備や原稿の校正などで比較的オフィスに籠もる時間が長い。雨なのでちょうどいいが。
最近、特集記事の製作を二人でチームになって担当することが多くなったのだが、この方式は効果的である。一人で担当するよりも、多面的なアイデアが出るし、作業分担をすることで、効率も上がる。ちなみに、いま一緒に記事をつくっている同僚はとても情報検索力が高く(早く幅広く資料を探してくれる)、非常に助けられている。
考えてみると、例えば、4人のスタッフと4つの仕事があった場合、1人1つずつ仕事を担当させるよりも、2人で1チームをつくり、1チームに2つずつの仕事を担当させるほうが、いい成果を得られるかもしれない。しかも、組み合わせ次第で、その4人から3パターンのチーム編成がつくれるから、チーム編成も硬直化させずバリエーションを持たせると更にいいだろう。

日経新聞夕刊(2009/05/14付)のインタビュー記事で、サグラダファミリア教会の主任彫刻家である外尾悦郎さんの発言が印象に残った。
「一日中、石のことだけ考えていられれば、私はほかに何もいらない。石と向き合い、石を彫ってさえいられれば、それだけで幸せだと自信を持って言える」と。
では、自分ならば、「○○してさえいられれば、それだけで幸せだと自信を持って言える」の「○○」の部分に、何を入れるだろうか。いま瞬時に明確に挙げられるのは、二つだけだ。

■なんとなく、ネットサーフィンしていたら、こんな記事を見つけた。ネットイヤーグループ社長の石黒不二代さんのインタビュー記事。
http://www.president.co.jp/pre/special/5214/14/
日頃、自分が感じていたことを的確に言い当ててくれた発言があったので、抜き出しておこう。
「経営や人事で重要なのは、オープンソースのソフトウェア開発に夢中になっているような優秀な人材をどういう形で企業に入れていくか。どういう形態、時間軸で働いてもらうか。彼らが心地良いようなやり方で組んで、結果的にバリューが出て、それに対してはきちんと報酬を出すやり方が理想です」
まったくその通りだと思う。クリエーションに関わる業界においては特に、こうした発想ができる企業や集団にいい人材が集まり、そうした企業や集団が生き残っていくのだろうと感じる。
『クリエイティブクラスの世紀』でリチャード・フロリダが、都市が経済成長していくには「技術(テクノロジー)」「才能(タレント)」「寛容性(トレランス)」という三つのTが必要だと言っていたのを思い出したが、クリエイティブな集団も同様で、上記の石黒さんの発言は、三つ目のTの重要性を言っているのだろう。
あるいは、上記のサグラダファミリアの外尾悦郎さんのような人をいかに組織に取り込み能力を発揮してもらうかに、クリエイティブな企業の命運が掛かっていると言い換えてもいいかもしれない。