デザインハート more trees展 デザイナーズウィーク

■秋のデザインイベントの季節になった。六本木のル・ベインにて「デザインハート」展を見る。3人のデザイナーさんとお話する。

木工制作者の沢田猛(kamina&C)さんは、鹿をモチーフにしたナラ材製の子供用イスなどを出展。微笑ましい。
鹿のイスということで、山本達雄さんの「Bambi Chairs」を思い出した。山本さんのはスチール製で端正で高精度であった。この沢田さんのほうも高精度に見える。そして、木製で、座面もふっくらしている分、素朴さがある。
 参考:http://hasimoto.blog.smatch.jp/blog/2009/05/2009-11bambi-ch.html

建築家の久保和樹(H2DO)さんは、二次元の板にして収納できる組立式スツールを出展。スツールとして使わないときは、収納しておいたり、アートボードとして飾っておくという提案。インクジェットプリントで、いろんな柄を実現できる。この形状がアートボードとして成立するかという問題はあるが、狭い日本の住宅空間の中で、便利さと楽しさをどう両立させるかという、建築家らしい空間からの発想のようだ。

柴田映司(テコデザイン)は、足に障害のある方々のための手こぎ式の三輪自転車や、シックスインチ社のウレタン塗装を使った子供用家具を出展。障害者や子供というマイノリティーの人々の生活にも楽しさやデザインを届けたいというスピリットが、柴田さんの人柄とともに伝わってきて好感。
http://www.le-bain.com/gallery/lebain/index.html

■六本木AXISギャラリーで「more trees展 森を感じる12日間」を見る。木材を使ったインテリアプロダクトやおもちゃの展示。会場には木のスティックが無数に吊られており、物理的には少ない部材を使いながら、「木々をよけながら歩いていき、ふと開けた場所に出る」という森での経験を擬似的に入場者に体験させる仕掛け。会場には木のいい香りが漂っており、思わず深呼吸。
http://www.axisinc.co.jp/publishing/exhibition/201010.html

アイシン精機 ASLEEPのインスタレーションを見る。同社の製品「ファインレボ」の柔らかさをアピールする展示。日本の住宅では、畳やフローリングに寝転がってテレビを見る光景を見かける。そのとき床に当たる部位(尾てい骨とか肘とか)の下にファインレボを敷くだけで気持ちいいですよ、というメッセージ。コミカルな展示風景がいい。
それにしても、5000円で販売されている「お昼寝ピロー」は、会社の昼寝で使うには最高に気持よさそうだ。
http://www.aisin-asleep.com


■会社で1月号の特集の打ち合わせなど。3人の編集部員で協力して大きな特集を制作予定で、賑やかでボリューム感のある特集になりそうだ。デジタル技術などに関する特集。

■金曜夜、9時に東京デザイナーズウィークのメイン会場に到着し、1時間ほど駆け足で見る。遅い時間に行ったせいか、やや閑散した雰囲気。とはいえ、会場でデザイナーさんたちと直接お会いしお話をする機会は刺激的で貴重な時間。

建築家の松原美恵さんは折り紙のような構造のブラインドを出展。毎年デザイナーズウィークに興味深い作品を出展されており、一度お会いしたいと思っていたのだが、ようやくお会いできた。松原さんがつくるものには、いつも動きや変化が取り入れられている。
http://www1.odn.ne.jp/insfc/aboutus.html

廃棄物処理会社のナカダイは、廃棄物のみでつくった空間を出展し、循環型社会の構築を提案。今回のブース設計のディレクターを務めた、建築家の廣瀬大祐さん(アーキコンプレックス)にお会いする。廃棄されたLANケーブルを鉄板で挟んで熱して溶かし、パネル化したものが壁になっている。うまくシステム化すれば、イベント会場などテンポラリーな場で空間を作るときなどに使えるかもしれない。
http://www.nakadai.co.jp/index.html
http://www.archicomplex.com

チームラボの「ハンガー&デジタルショーウィンドウ」を見る。これは、おもしろい。ハンガーを手に取ると、そこに掛かっている服を含んだコーディネーション例が目の前のディスプレイに表示される。服とハンガーはどのように紐付けされているのだろうか。実際のブティックのオペレーションを考えうと、ハンガーに次々異なる服をかけるはずだが、その際の服とハンガーの紐付けはどのように更新されていくのだろうか。チームラボのかたに今度うかがってみよう。
物販店でのこうしたデジタル技術の使い方は、構想だけなら多くの人が抱いたであろうが、それを実現したところがすごい。
http://dev.team-lab.com/index.php?itemid=235

INAXは、大きな面積を使って、金の便器などを展示。
http://www.inax.co.jp

NTTデータエンジニアリングシステムのブースでは、ラピッドプロトタイピング関連の技術を紹介。ラピッドプロトタイピングより安価な「3Dプリンタ」という技術は、テクスチャーや色を付けることができるそうなので、建築家や空間デザイナーの模型製作に大いに役立ちそうだ。
折りたたみスツールも、ヒンジなどで部材を組み立てる必要がなく、一発で完成形ができあがるそうだ。
http://www.nttd-es.co.jp/index.htm


富士通デザインは、インタラクティブな遊べる装置でブースを構成。さらに人々が遊んでいる姿を別のディスプレイに投影し、客観視させる仕掛け。こうしたアトラクションでまず興味を持ってもらい、その後に富士通が持つ技術について知ってもらおうという、こういう場にふさわしい展示手法だ。同社デザイナーの池田潔彦さんに会場で分かりやすく説明をうかがう。
http://jp.fujitsu.com/group/fdl/tdw2010/


その他いろいろ見て回る。