『三低主義』(隈研吾、三浦展/エヌティティ出版)を読む。
著者二人が、街づくりや都市という接点を共有しながら、隈研吾さんは主に建築方面から、三浦展さんは主に社会学や郊外研究の方面から発言する。
「三高」に対して、「三低」的な建築の特徴とは、「低層、低姿勢(かわいい)、低炭素(環境への負荷が少ない)、あるいは低コスト(安い)」。
「三低」建築や「三低」都市を支えるのは、以下のような背景。
私有よりも「共費」(シェア)。
都市を新規開発するよりも、いまある街や建物をメンテナンスしながら使っていく発想。
目標達成型の近代的な価値観である「インストゥルメンタル」な原理よりも、楽しいから働くといった「コンサマトリー」な原理で生きる人々。
対談本だから、個々のテーマが掘り下げられているわけではないが、こうした「三低」の時代状況にいちはやく反応してきた著者二人の博識なおしゃべりを立ち聞きしているようで、楽しい一冊。
- 作者: 隈研吾,三浦展
- 出版社/メーカー: エヌティティ出版
- 発売日: 2010/01/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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