知多半島 伊勢志摩 オゾン

8月の行動記録で、書いていなかったものをいくつかまとめて。

■オゾンの「CO2を減らす家具 」。
剣持勇さんの有名なイスをリサイクルする展覧会。出展者の、安藤健浩さん、野木村敦史さん、平社直樹さん、会場にいらっしゃっていた時園勇さんらにお話を伺う。
イスをイス以外のものに転用する安藤さんや野木村さんの案が印象に残る。一方、剣持さんのイスという主題に引きずられ過ぎず、自分のテーマに引き付けて新しい案の試行錯誤をする平社さんのスタンスにも、なるほど、と感じる。
http://www.ozone.co.jp/event_seminar/event/detail/560.html

時園さんとお話しており、照明をデザインするとき言葉を介さずに形からダイレクトに考えていくというお話を聞く。自分自身を振り返ると、言葉を並べたり、いじくりまわしたりしながらでないと物事を考えることができないが、時園さんにとって言葉に代わるものは、スケッチなどなのだろう。興味深い。(クライアントとの打ち合わせで言葉を用いながら進めるプロジェクトは別だそうだが。)

■家の前にカブトムシがいて、驚く。東京の住宅街にカブトムシが生息しているのか。それとも、誰かが飼っていたのか。

■恵比寿にてイタリアンレストラン「ノスタルジー テーブル」を見学。周辺には日仏会館やスペインバルが並び、ヨーロピアンな道。
オープンテラスが気持ちよさそうであった。壁面に絡むツタがだんだん伸びていくのも楽しみ。
http://www.nostalgie-group.com/table/

■エイジ佐藤一郎さん取材。

■快眠セラピスト三橋さん取材。眠りに関することを様々な観点から研究されていながら、同時に大局的な視点で「そもそも、現代では、なぜ眠りに人々の興味が集まるのか」も考えられていて、興味深いお話を伺う。

学芸大学付近で、リニューアルされたホテルを撮影。じっくりお時間をいただくことができ、納得のいく撮影をさせていただく。

■西脇デザイン事務所へ。

■なぜか夏に社内で大掃除。

■会社を辞めて新しい道へ進む同僚の壮行会ということで、同僚らと飲む。

■この夏、気に入っているランチは、ポールバゼットの「十五穀米の本格カレーセット」(野菜カレー)。週に一回は必ず食べる。さっぱりしていていい。

霞ヶ関にて、「ルビーカフェオーガニック」撮影。こちらも、店長さんに大変ご協力いただき、スムーズに撮影完了。

■飲食店プランナーの朝里さんと打ち合わせ。ある企画の方向性が見えてきた。

■代官山のブティック「ファクトタム」見学。どこが既存の部分で、どこが新たに作り足されたのか、どれが本当のアンティーク家具で、どれがアンティーク風につくられた新しい家具なのか。それらを、見分けの付かない形で重ね合わせている。時代性や地域性をミックスして、その結果それらを漂白したようなシンプルながら手の込んだ空間。

■オゾンのセミナーにて、ノイズアーキテクツ豊田さんのライノセラスに関するレクチャーを聞く。プロダクトの世界では当たり前に使われている描画ソフトだが、建築ではあまり使われていないそうだ。直感的で操作性が高いとか。

■青山にてグラフィソフト社のセミナーへ。前半しか聞けなかったが、こちらの描画ソフトは、大規模な建築プロジェクトなどで、あるオブジェクトを繰り返し描く場合に使い勝手が良さそうに見えた。

■撮影出張にて知多半島の内海の温泉旅館へ。
高台に立つ旅館のラウンジや各個室からは、伊勢湾が見下ろせる。窓を開け放し、ソファに座って、一日、海と空を眺めていたら、日常生活では考えるきっかけの少ない長いスパンの計画を考える時間となりそうだ。
夏の忙しいシーズンなのに、オーナーさんに多大なご協力をいただき、充実した撮影。

撮影現場とは異なる、付近の海岸沿いに立つ温泉旅館に投宿する。高度成長期の温泉旅館らしい雰囲気にあふれており、夜は、お刺身をはじめ、食べきれないほどの御馳走が出る。最後のお吸い物と炊き込みご飯で終わりかと思って油断していたら、デザートまで登場した。夜も朝も温泉に入り、気持ちよく撮影の後半戦に向かう。

そういえば、行きがけ、旅行術や地方のB級名産品に詳しい同僚から知多半島の面白い食堂を教えてもらった。
まるは食堂」。エビフライが大きいらしい。
http://www.maruha-net.co.jp/index.html

名古屋のラシックにも入っている。
http://r.gnavi.co.jp/n216500/

知多半島付近では、大アサリも有名らしい。結局、あまり時間がなく、巨大なフライも巨大なアサリも食べられず。
しかし、帰路、カメラマンさんと一緒に名古屋で初めて味噌煮込みうどんを食べる。この濃さ、たまに食べたくなりそうだ。

栄の「オアシス21」へ立ち寄る。

■撮影出張にて伊勢志摩・賢島の温泉旅館へ。
東京から「新幹線1時間半+近鉄線特急2時間」で賢島駅へ。地図で見たときは遠いと思ったが、乗り換えが一回なので体感時間としては短い。読書と睡眠で、あっという間。

取材先はとある温泉旅館であったが、付近で宿泊した同じ経営者さんによるホテルでは、アワビ、伊勢えび、松坂牛、お刺身、三重県の食材を用いた蒸し野菜などなど、盛りだくさんの美味しいメニューを戴き、幸福感に浸り、撮影へのエネルギー補給はバッチリ。その地域を好きになるか否かは、その土地で得た味覚の経験に大きく左右されるのではないか、と改めて感じる。
夜の撮影終了後、温泉に入る。翌朝、朝食後、再び軽く温泉に入り、撮影現場へ。

夏の稼ぎ時のシーズンであるにもかかわらず、旅館のオーナーさんに多大なご協力をいただき、充実した撮影。

知多半島も伊勢志摩も、どちらの旅館も、ほんの2、3日、東京の生活から離れて、リフレッシュしたり、考え事をするのに、とてもお奨めな場所である。特に伊勢志摩は、大阪からも2時間強くらいで行けると思う。

この二つがどの旅館であったのかは、10月号が発売される9月末頃にお書きしたい。

そういえば、伊勢志摩のお土産店で「赤福」を見掛けなかった。

■伊勢志摩の行きの新幹線でなぜか軽いビジネス本が読みたくなって、品川駅で『「残業ゼロ」の人生力』(吉越浩一郎)と『ラクをしないと成果は出ない』(日垣隆)を購入。行きの車中で読む。
どうも長い移動時間の前は密度の薄い本を買ってしまう。。。なぜだろうか。おそらく、電車の発射時刻に迫られながら急いで選ぶのでつい選択眼が甘くなる。乗車時間が数時間に及ぶ場合が多いので、眼前に時間がたくさんある気がして選択眼が甘くなる。出張(あるいは旅行)の際は、通常より多めにお金を所持しているので、金銭的にゆとりがある気がして選択眼が甘くなる。乗車時間中に読み切ってしまいたいという意識が働き、お手軽に読み終わりそうな本を選んでしまう。
などなど、複合的な要因が考えられるが、いずれにしても新幹線の停車駅や空港というのは、書店にとって魅力的な出店立地だろう。

で、『ラクをしないと成果は出ない』は、新しい発見がまったくなかった。「ラクをする」ための具体的なアイデアが書かれているのかと思ったが、そうでもない。どちらかというと、仕事をするにあたり意識しておくべきことが書かれているのだが、「『本格的に勉強したい』分野の仕事を引き受ける」「継続させる小さな工夫を」など、目標を持って働いている人なら誰でも思いつきそうなレベルの提言で、がっかり。

『「残業ゼロ」の人生力』は、とにかく日本の悪しき「残業」文化を否定し、通常の業務時間内のパフォーマンスを最大限に向上させ、残業を一掃しようというメッセージ。
著者は、仕事を終えた後の人生(つまり、50、60代以降ということか)を「本生(ほんなま)」と呼び、働いている数十年は、「本生」への準備期間だという。
特に、著者は繰り返し、健康管理の大切さを強調する。2週間とか1ヶ月という長い休暇を推奨するのも、人生を楽しむためであると同時に、長期的な視点での健康管理のためである。
毎日3時間は、「本生」のために投資しろというのも、簡単ではないが、共感。
こうした働き方は、ものごとの見せ掛けや形式を整えただけで安心してしまい、本質に目を向けない“成熟していない個人の集団”では、実現しえないだろう。
本書を一読して、得るものは、さほど多くはなかったが、残業をするな、人生の充実を長いスパンで考えろ、健康管理を甘く見るな、という著者の熱い思いが伝わってきただけでも価値があった。
この種のビジネス本やノウハウ本は、ほぼ100%得るものが無いというのが私の信条だが、何かを得ようとするのではなく、ある考え方に勢いに押されて“感染する”という使い方なら、ありえるのかもしれないと思った。(「感染する」ことも広義の「何かを得る」に含まれるのだろうが。)

■もし「社会学者」と「キュレーター」という二つの職能を兼ね備えているような編集者がいたら、素晴らしいな、と思う。

■タカトタマガミデザインさんから、「羽田空港第1ターミナルビル 南ウイング 3F」にカフェが竣工したお知らせをいただく。別の建築家さんも、羽田空港で飲食店を設計しているとおっしゃっていたので、羽田空港もだいぶ様子が変わっているのかもしれない。

■北京松原弘典建築設計諮詢有限公司さんから、北京でお茶のお店が竣工したお知らせをいただく。次に北京を訪れたときは、ぜひ行ってみたい。

■私事を書くのが嫌いなので短く書くけれど、とあるウェブサイトで動画を見ていて、自分が趣味や仕事を通して何をしようとしているのかに気が付いた(というより思い出した)。「全体を見通す視点」を見つけ出したいのだった。何に関する「全体」でもいい。社会全体でもいいし、どこかの業界全体でもいい。

■新宿OZONEにて「イス塾」展へ。10回目を迎えて、大規模な展示。
主催者でイスのデザイナーでもある井上昇さんにじっくりお話を伺う。特許庁の方や、自作のNC機でイスの部材を切り出す塚田さんとも御挨拶。

■西新宿「バリラックス」で、建築家の小口さん、富谷さん、構造設計者の高橋くんと食事。改正建築士法の話題から結婚関連の話題まで、あっという間の5時間。

松下電工汐留ミュージアムにて「村野藤吾 建築とインテリア」展が開催されている。
http://www.mew.co.jp/corp/museum/exhibition/08/080802/
それに連動して、イデーショップ自由が丘店でも、「特集展示・村野藤吾」を開催しているというお知らせを、イデーさんからいただく。