石井建築事務所 iPad 「ファストファッション隆盛に一言」

■上野にて、あるメーカーさんと打ち合わせ。

■取材にて、石井建築事務所へ。
http://www.ishii-aa.com/

■USMの方とお話する。LEDが仕込まれたガラス棚が発売されていた。小物を売るショップなどで活用できそうだが、HPからその製品情報へうまくたどりつけないのが残念。
http://www.usm.com/

■webプロジェクトの打ち合わせ。編集長の私物iPadで画面を表示しながら、webデザイナーさんと打ち合わせ。

■大きな特集の入稿作業があり、オフィスで集中する時間が長く、あっという間に一週間が過ぎる。来週は、次の大型特集の候補作品をまとめて見て周って、企画骨子を組み立てよう。

■内田デザイン研究所へお邪魔し、お写真をお借りする。内田デザイン研究所が入っている「ル・ベイン」ビルは、何度行っても気持ちいい。こんな空間で働けたらいいなあ、といつも思う。

■2010/06/05付けの朝日新聞朝刊に、川島蓉子さんの「ファストファッション隆盛に一言」というコラムが載っていた。とても脳と心に響いた。素晴らしい原稿。
ファストファッションの隆盛によって、「低価格」と「機能性」という価値軸が跋扈しており、中堅ブランド(ファストファッションと高級ブランドの中間のブランド)までもがその価値軸に追従し過ぎるあまり、独自性や面白みのない均質化された商品が増えている、という指摘。そして、それによって消費者が何を失っているのかと言うと、川島さんは、モノを使う時の「楽しい気持ちになる」や「ゆったりした気持ちに浸れる」だと言う。大賛成。
私事だが、ちょうど僕も先日から革製のブックカバーを使い始め、それにより読書の時間が以前にもまして、ゆったりした深みのある時間になったと感じていたところ。
そんなこともあり、川島さんのご指摘に、実感としてもロジックとしても大賛成。商業施設を見る際にも、しばらくこの指摘を頭に留めておこう。

「低価格」と「機能性」に基づいてものを買うということは、数値化できる基準(スペック)に基づいてものを買っているということだろう。確かに、多くの新しいビジネス系ホテルも「低価格」「機能性」という価値軸を追求しており、宿泊者の側もスペック重視で選んでいるように見える。この業界も数年内に均質化が進み、個性化せよと喧伝されるかもしれない。多分そうなるだろう。

ちなみに、あえて言うと、上記の記事で、終盤の一段落(最後から二つ目)は不要である。「本当の生活の豊かさとは〜」という書き出しで始まる段落があるが、「本当の○○とは」という主語が出ると、経験的に言って、たいていその後に続くのは、検証のしようがないベタで無批判な情緒論だが、案の定、その後のセンテンスで「日本人が古来、大事にしてきた」云々と始まった。取ってつけたようなこの一段落さえなければ、この原稿の素晴らしさがますます輝いたのに。。。