麻布十番、六本木、渋谷などで。

◆エンバディデザインの岩本勝也さんにお会いして、お話をうかがう。新しくデザインされたお店の話。そして、自分がクライアントから求められている職能と、自分が目指すデザインの方向性をどう一致させていくのかという話。
http://www.embodydesign.com
http://ameblo.jp/embodydesign

 
◆六本木のギャラリール・ベインにて、「ラジックデザイン展 東日本大震災以降の災害時デザイン」。
ダンボールを用いた家具などが並ぶ。
災害時にどのように使われるのかをリアルに想定した提案があれば、見る人に何か伝わったのではないかと思う。
I went to the Gallery le bain, Roppongi Tokyo.
  
 
森美術館にて「アラブ・エクスプレス展」。
アラブ諸国の作家らによる作品を集めた現代アート展。
アラブの春」やドバイの都市開発など、アラブの様子をメディアで目にする機会が多い今日、日本でもアラブ文化に興味を持っている人が多いかもしれない。
 
今回出展した作家の多くはおそらく、非アラブ文化圏の人々がアラブ文化圏をどのようなステレオタイプで眺めているのかを、よく知っているのだろう。そのステレオタイプを前提にしつつ、鑑賞者のステレオタイプなアラブ認識を突き崩すような作品や、場合によってはそのステレオタイプを強化しそうな作品が見受けられた。例えば、「内戦」「テロリズム」「女性の抑圧」「石油」「砂漠」などがモチーフになっている作品が目立った。つまり、出展作家らはアラブ文化を相対化する視点を持っているように見える。その意味で、出展作家らは私(日本で暮らしイスラム文化を知らない人間)とも比較的近い位置にいる人間であるように見えた。むしろ、イスラム文化にどっぷり浸かり、イスラム文化を外から見つめる視点を持ち合わせていない作家の作品も見てみたい。
 
なお、写真撮影可というのは、素晴らしい。
10月28日まで。
http://www.mori.art.museum/contents/arab_express/


The exhibition titled "Arab Express" ie held in the Mori Art Museum, Roppongi Tokyo.
This is an exhibition of contemporary art from the Arab world ; Kingdom of Bahrain, Sultanate of Oman, State of Qatar, the United Arab Emirates etc.
To Sunday 28 October, 2012.

印象に残った作品をいくつか挙げておこう。

作家名:モアタッズ・ナスル (エジプト生まれ、在住)
作品名:カイロ・ウォーク
 
 
 
作家名:ルラ・ハラワーニ (エルサレム生まれ、在住)
作品名:親密さ
 
 
 
作家名:ハサン・ミール (オマーン生まれ、在住)
作品名:「結婚の思い出」シリーズ
 
 
 
作家名:マハ・ムスタファ (イラク生まれ、カナダ/スウェーデン在住)
作品名:ブラック・ファウンテン
  
 
 
作家名:アハマド・マーテル (サウジアラビア生まれ、在住)
作品名:マグネティズム
 
 
 
作家名:シャリーフ・ワーキド (ナザレ生まれ、イスラエルパレスチナ在住)
作品名:次回へ続く
 
 
 
作家名:アーデル・アービディーン (イラク生まれ、フィンランド在住)
作品名:アイム・ソーリー
 
 
 
作家名:オライブ・トゥーカーン (アメリカ生まれ、在住)
作品名:(より)新しい中東
 
 
 
作家名:ハリール・ラバーハ (エルサレム生まれ、パレスチナ在住)
作品名:二つの展覧会
  


◆六本木の21_21 DESIGN SIGHTにて、「田中一光とデザインの前後左右」展。
展示されている作品を見ると、様々な要素が組み合わせられており、デザインのテイストや仕事の範囲が多岐に渡る。
日本的な要素とモダンな要素。柔らかい曲線とエッジの効いた幾何学図形。鮮やか色彩とモノクロームの色彩。日本文化を発信するような大きなテーマの展覧会ポスターから、私企業のロゴデザインまで。
そして、コミュニケーションの最小単位である文字のデザイン(タイポグラフィー)から、大局的なコミュニケーション戦略であるブランディングアートディレクションまで。
それらの広大な仕事がコンパクトな展示空間に収められており、めまいがするほどだ。

あまりに当たり前の感想ではあるが、こうした多岐に渡る仕事の中で、一つ共通しているように見えた点は、田中一光氏の「省略する能力」「そぎ落とす能力」「抽象化する能力」の鋭さ。田中氏がアートディレクションを手掛けた「無印良品」などは、優れた省略の賜物だろう。

なお、できれば、作品の展示だけでなく、もっと田中氏と同時代の人々のコメントなども聞きたかった。というのは、グラフィックデザインの新しさは、同時代の他のグラフィックデザイナーの作品(ポスター、ロゴマークエディトリアルデザインなど)の作風との差異によって明確に理解できるであろうから、同時代人が田中氏のデザインにどのような新鮮さを感じたのかもっと知ることができれば、より素晴らしい展示になったのではなかろうか。
  
なお、下の写真は、田中一光さんに師事したグラフィックデザイナーの廣村正彰さんによるインスタレーション。タイトルは「His Colors」。会場に展示されており、この作品だけは撮影可能だった。
 
2013年1月20日まで。
http://www.2121designsight.jp/program/ikko_tanaka/

The exhibition "Ikko Tanaka and Future/Past/East/West of Design" is held at 21_21 DESIGN SIGHT, Roppongi Tokyo.
This exhibition focuses on the works of Ikko Tanaka, a japanese most famous graphic designer.

 

◆渋谷パルコミュージアム (渋谷パルコ・パート1・3階) にて、「Chim↑Pom展」。
大変オススメの作品展だ。渋谷に行った際はぜひ!

いつもながら、ブラックな笑いを誘う作品が並ぶ。
今回は、「廃棄」「消費」「ゴミ」がモチーフになっている。それらはつまり、大量消費を謳歌する私たちにとって都合の悪いもの。あるいは、意識的に目を背けているものや、無意識的に見落としているもの。今回の作品は、それらを可視化し、人々の目の前に突き出してみせる。
一言で言えば、異化作用を持つ作品。
みんなが消し去りたいと思っている都合の悪い廃棄物を鮮烈に意識化させるという点で、星新一ショートショート作品「おーい、出てこい」を想起した。
 
一つ目の部屋の作品では、ファストフード店のキャラクターのような人形が、ブティックをめちゃくちゃに汚したような空間。まるで、パルコのマーケットがファストファッションに食い荒らされたと言っているかのように見えて、笑いを誘う。
特に興味深かったのは、繁華街のゴミ袋に、核廃棄物を思わせる三つ葉マークをスプレーで描いていく様子を記録した映像作品だ。人々の無反応ぶりに、ぞっとする。こうしたアート作品を「不謹慎だ」という人もいるのかもしれないが、むしろ、この期に及んで原発を無理やり再稼働させたり新設したりしようとしている電力会社や政治家たちのほうが、はるかに不謹慎だろう。
 
このギャラリーも撮影可能という点が素晴らしい。
10月14日(日)まで。
http://www.parco-art.com/web/museum/exhibition.php?id=504


I really enjoyed the exhibition of japanese art team "Chim↑Pom"'s works at Shibuya's Parco Museum, Tokyo.
It is a little exhibition, but very controversial.

          

 
◆渋谷パルコパート1に行ったついでに、6階のワンピース公式グッズショップ「麦わらストア」に寄ってみた。9月28日にオープンした。
http://www.mugiwara-store.com/pc/goods.html