これも自分と認めざるをえない展  ネイチャー・センス展  書棚

■21_21 DESIGN SIGHT「これも自分と認めざるをえない展」へ。
行列に並んで体験型展示を体験してみたが、全体にイマイチ。初期の発想をそのまま作品化してしまったという印象。深みやひねりが欲しかった。
この展覧会の狙いを言葉で表現すれば、次のような感じになるだろう。「人は自分に個性があると思っているかもしれないが、思いのほか属性でカテゴライズ可能であったり、属性に縛られていたりする」「日頃、私が無意識に行なっている振る舞いも、私の一部である」。
けれど、仕組みやアルゴリズムが比較的単純(あるいは既知のもの)で、驚きがなかった。
むしろ、現実社会で使われているテクノロジーが方がはるかに、僕たちに「これも自分と認めざるを得ない」という気持ちを突きつけてくる。例えば、amazonのおすすめ本の表示や、人体のCTスキャン、胃腸の内視鏡などなど。
http://www.2121designsight.jp
六本木ヒルズのウェストウォーク3階のエスプレッサメンテイリーは、意外に空いていて、イスの座り心地も良く、店内も広く穴場かもしれない。2階のスターバックスが混んでいる場合が多いので、その上階のエスプレッサメンテイリーを使う方がよさそうだ。
http://www.espressamenteilly.jp/maps/map17.html
http://www.roppongihills.com/shops_restaurants/restaurants/cafe/209330007.html
森美術館「ネイチャー・センス展」へ。吉岡徳仁氏、篠田太郎氏、栗林隆氏の3名による展示会。
吉岡徳仁氏の「スノー」は、羽毛をファンで吹き上げる作品。単純な仕掛けだが、遠くから見るときれい。
栗林隆氏の作品は、日頃人間が目にすることのない「海の下」や「土の下」に意識を向けさせる作品。よくつくったなあ、というエネルギーに圧倒される。特に「ヴァルト・アウス・ヴァルト」という作品(雪景色のような風景に鑑賞者が穴からひょっこり頭を出すインスタレーション)は、環境に意識を向けさせるとかいうベタな話とは関係なく、純粋に風景として美しい。真っ白な林の風景が白くかすみながらどこまでも続くように見える。「ああ、きれいだなあ、しばらく見ていたいなあ」と思う風景は、自然の中にはたくさん存在するが、それを人間の手で作ることは簡単ではないだろう。その意味で、この作品が一番印象に残った。
http://www.mori.art.museum/contents/sensing_nature/index.html

※なお、「ネイチャー・センス展」の作品写真を以下に10枚掲載しましたが、森美術館の規定によりクリエイティブ・コモンズのライセンス「表示—非営利—改変禁止」に準拠して公開します。

■なぜか餃子や麺類を食べたくなり、「豆金 六本木ヒルズ」に寄り食事。ごく普通の中華料理店だが、リーズナブルでおいしい。
http://www.kiwa-group.co.jp/restaurant/a100395.html
内田樹さんの『街場のメディア論』を立ち読みしていたら、「電子書籍と書棚の関係について書いた文章を読んだことがない」というような一文を見つけた。僭越ながら、以前、「月刊 商店建築」の編集後記(2010年8月号)にちょっと書きましたので、よろしければ御覧ください。ほんの200字程度ですが。
なお、『街場のメディア論』の中で展開されている書棚の話は、大いに共感した。人が書棚に並べている本は「学歴詐称的」であるという。そして、それらの本を所有者がすべて読んだわけではないし、むしろ「いつか読みたい本」の方が多いかもしれないという。
確かに、それが書棚の素敵なところだ。多くの人は自分の本棚を眺め、登るべき山がそこにあるという安心感と期待感を味わうのではなかろうか。そして、いつしか、その書棚の一部がその人を形成するようになる。
■会社の同僚に薦められ、グーグル日本語入力システムを使い始めた。予測変換機能が非常に便利だ。インストールや辞書ファイルのインポートも手順がシンプルで分かりやすい。
思うにグーグルという会社は、エンジニアたちが「俺がユーザーだったら、絶対こういうサービスを使いたい」という強烈な思いに貫かれているように感じる。「お客様の意見」を聞いてマーケティングしているうちに、丸みをおびた最小公倍数的な退屈な製品になってしまい、結局、大事な機能や便利なツールがどこにあるのか分からない、というソフトと比べると、グーグルのサービスは何かが違う。
ところで、素人考えだが、アップルとグーグルの共通点は、開発者の言葉や思考ではなく、徹底してユーザーの言葉や思考でものづくりをしているように見える。それは、日常の言語を使ったオペレーションであり、直感的な操作である。
■数ヶ月前、最も近しい人から「bond」というバンドのCDをもらう。とても映像的。映画や小説のワンシーンが目に浮かぶような気がする。疾走感と躍動感の中に、新しさと懐かしさと怪しさが入り混じっているこれらの楽曲は、上海の街にすごく似合いそうだ。上海で聴きたかった。
http://www.universal-music.co.jp/classics/bond/
■書き忘れていたが、先日、ホテルブライトンシティ大阪北浜へ泊まった。設計は、yazデザイン。
関西地方のビジネスホテルでは、トップクラスの人気だとか。「デザイナーズ・スーペリアルーム」という部屋に泊まった。確かに快適。20平米の室内だから、宿泊主体型のビジネス系ホテルにしては、だいぶ余裕がある。ソファもあるし、レインシャワーもある。ベッドは150cm幅のダブルサイズ。ベッドに寝て両手を広げると、両手がベッドのエッジにかかるくらいの広さ。これだけあると、かなり快適。
駅から近く、目の前にコンビニが二つあるのも、宿泊者には便利そうだ。おすすめです。
http://yazdesign.co.jp
http://www.brightonhotels.co.jp/kitahama



注)以下10枚の「ネイチャー・センス展」の作品写真は、森美術館の規定によりクリエイティブ・コモンズのライセンス「表示—非営利—改変禁止」に準拠します。




以上4点、吉岡徳仁氏の作品



以上3点、篠田太郎氏の作品



以上3点、栗林隆氏の作品