毎年恒例、秋のデザイン関連の展示を見て周っています。

今年は、「マテリアル」「クラフト感(手作業の痕跡)」「ローカリティー」をテーマにして見ています。その観点から、幾つかの興味深い作品やエキシビションに出合いました。
 

その一つが、ドリルデザイン(DRILL DESIGN)による「手前で変えると、遠くへ行ける」展。
オススメです。渋谷で開催中。ドリルデザインは、林裕輔さんと安西葉子さんによるデザイン事務所です(上の写真のお二人)。
会場には、ドリルデザインが開発した三つの素材と、その開発プロセスが展示されています。三つの素材は、合板、革、段ボール。これらの素材は、私たちの日常生活においてあまりに見慣れていて、日頃意識する機会が少ないかもしれません。
これらの素材をより魅力的なものや合理的なものに変え、それらを社会に流通させることができれば、別のデザイナーやメーカーがそれらの素材を使い新しいプロダクトを生み出すことができます。プロダクトをデザインすることも重要ですが、素材開発は、プロダクトデザインとはまた違った価値やインパクトを社会に提供しうるデザイン行為だと改めて感じました。実際、ドリルデザインによって開発されたこの合板は、インテリアなどで使用されています。
 
ぜひメーカー関係者や、デザイナーを志す学生の方々にも見ていただきたい展示です。 
なお、こうしたキュレーションをした山田遊さん(method)の力量にも大拍手です!
しっかりキュレーションされ、焦点が定まった展示で、見応えがあります。

  
  
「手前で変えると、遠くへ行ける」
会期:10月30日(木)〜11月9日(土)
時間:12:00〜19:00
会場:(PLACE) by method
住所:東京都渋谷区東1-3-1 カミニート14号 2F
http://wearemethod.com/