、「スパ&ビューティ 2008」 「JIN’S GLOBAL STANDARD」 「パ

ここ2週間くらい。

ビッグサイトにて、「スパ&ビューティ 2008」「ホテル&旅館リニューアル2008」へ。高濃度な酸素も吸入できる一人用サウナボックスが展示されていたので、試しに5分入ってみる。5分では効果のほどは分からなかったが、エステやスポーツジムや塾での納入事例が増えているという。ちなみに、塾では、生徒が使うのかと思ったら、先生が使うほうが多いとか。
この一人用サウナボックスは、スケール感としては、西洋の教会にある懺悔室に近い気がした。もっとも懺悔室では自らの罪を吐露してスッキリするわけだが、サウナボックスでは汗を放出してスッキリするのだから、精神のデトックスをするか、肉体のデトックスをするか、という違いだろう。
http://www.noma.or.jp/hrr/#http://www.noma.or.jp/hrr/#

■エディトリアルデザイナーさんの事務所へお邪魔し、打ち合わせ。
西馬込の町を歩いていると、住宅街の中で突如巨大なタンク(おそらく東京都水道局馬込給水場)に出くわし、その異様なスケール感と、中身が伺いしれない堅牢で閉鎖的な佇まいに、空が夕暮れの赤紫色であったこともあいまって、いくらか畏怖の感情をおぼえる。もし生まれ育った家の近くにこんな施設があったら、強烈な空間体験になりそうだ。もしかすると、イタリアやスペインの町で暮らしたら、幼少時からこういう空間体験の連続なのかもしれない。

■西麻布にて、リニューアルされた会員制クラブの撮影。店長さんのご協力をいただき、スムーズに完了。

■西麻布ルベインに少し立ち寄る。暑さのせいか、急に疲れが襲ってきたので、パークハイアットのラウンジで少し休む。

■「JIN'S GLOBAL STANDARD 原宿明治通り店」のオープニングレセプションへ。来場者にメガネフレームをくださるという大盤振る舞い。しかし、混雑していたので、同僚にメガネ引換券を渡して、立ち去る。また、11人の錚々たる建築家(隈さん、伊東さん、青木さん、妹島さん、西沢さん、石上さん他)がつくるメガネシリーズという大胆な企画の発表もあった。今後の発表が楽しみ。

■札幌のホテルに関して日本設計さん取材。立地を考えて、ラウンジやロビーは暖炉を用いた温かい演出。

■鷹番で家具ショップのオーナーさんに取材。コネチカット州のJens Risomさんの自宅へ行って、契約を取り付けてくる話など、ミッドセンチュリーの家具を本当に愛している様子がひしひしと伝わってくる。

■恵比寿の「インターフェイスフロア」ショールームにて「GIBA作品展」を見る。小林幹也さん、清水慶太さん、平社直樹さんによるイスやテーブルの展示会。インターフェイスフロアは、アメリカに本社をもつカーペットメーカー。恵比寿駅から徒歩30秒くらいのこんないい場所にショールームがあったとは。
http://www.interfaceflor.jp/company/2008/07/14/7.html

■新宿にて20数人の賑やかな飲み会。インテリアデザイナーさん、ディスプレイデザイナーさん、エディターさん、芸術家さん、家具メーカーさんなどなど。楽しい時間を過ごす。ただ、自分の気配り不足で一つ失敗があった。9割の成功より1割の失敗のほうが、はるかに長く重く自分の頭の中に居座り続ける。「なぜ、あのとき気がつかなかったのか」と。しかし、この問い方はおそらく不毛であろう。なぜなら、「あのときに、気が付くという選択肢もあった」かのように事後的に幻想できるだけで、実際あのときには「気がつく/気がつかない」という分岐点などなかった、というのが実情だろう。
それなのに、「なぜ、あのとき気がつかなかったのか」という自問は、一定のリアリティーをもって、頭の中でリフレインされる。おそらくここで大事なのは、「なぜ、あのとき気がつかなかったのか」という問いを不毛だとして一蹴することではない。むしろ、理論上は不毛に見える問いが、それにもかかわらず、なぜ実感としては一定のリアリティーをもつのかという点だ。
話が逸れた。

■窪田建築都市研究所にて打ち合わせ。

■中目黒のカフェ「mother esta」でコーヒーを飲む。オーガニックなメニューと居心地の良さが好感。中目黒らしい店。
http://www.mother-esta.com/index.html

イデアフレームス表参道ヒルズにて「マテリノ展」へ。このプロジェクトを主催している岩本さん熊谷さんとお話する。木屑で携帯ストラップをつくる方法など、各商品の製作背景をうかがう。なにより、ご本人たちが商品の生まれるストーリー性を楽しんでいるのが印象的。
信楽焼ティーカップ「CASANE」の表情が気に入り、購入。持ったときのフィット感がよく、撫で回してしまう。
マテリノは、「工場で出る端材」や「日本の伝統技術」を生かしてエコロジカルな商品をつくるプロジェクト。つまり、「既にそこにあるのに、放っておくと消えていってしまう」二つの要素をうまく掛け合わせたプロジェクトと言える。
http://www.label-creators.com/index.html

■この日は、訪れた先で随分と長居してしまったが、お忙しい中、デザイナーさんにいろいろと裏話や試行錯誤した点を聞かせていただく。こうした一見雑談めいたことが、新たな企画のヒントになる。
帰社して入稿準備。7月後半、社内は、夏休みを取っている人がいるせいか、やや人口密度が低い。

■オフィスにて事務的な作業や、取材の段取りなど、こまごました雑務をこなす。日経アーキテクチャーや飲食関連の月刊誌を眺める。日経アーキテクチャーに、金沢や広島の記事が出ており、お知り合いの建築家さんたちが大きな写真とともに登場していた。
ウェブの発達などで情報がいくらか物理的な場所に縛られなくなってくると、東京だけを拠点にする必要はなくなってくるのかもしれない。むしろ、住宅建築を手掛けようと思ったら、東京はいい条件ではないだろう。土地もないし、コストも高い。地方都市では、30代で結婚を機に住宅を建てるという方も少なからずいるらしい。

■週末の夜、何とか間に合って、恵比寿にてアイデック玉城さんのパーティーに終盤2時間ほどお邪魔する。
INAX、日本ベッド、アクシス、artiさん他、たくさんのデザイン関連企業の方々やデザイナーの方々とお話させていただく。幹事さんの人柄が出た温かく穏やかでオープンなパーティー。パーティーや飲み会に関して玉城さんと考え方が共通しているので、別れ際、今度大きなパーティーをやりましょうと約し、帰宅。

■社内にて入稿作業と、次号の取材の段取り。

■内部打ち合わせなど。
帝国ホテルにて、ジャーナリストのK氏と編集長と3人で打ち合わせ。旅、ホテル、企業組織などを得意分野とするジャーナリストの方と。日比谷あたりに泊まる観光客の中には、1万円台の宿泊特化型のホテルに泊まり、お茶は帝国ホテルで、食事はペニンシュラで、という使い方をする人が多いそうだ。その他、川端康成と旅館に関する話など。

■ホテル「レム日比谷」の2階「Cafe &Meal MUJI 」にてカレーを食べる。あっさりしているのに、ひとひねりされていて、満足。
紀伊国屋書店にて資料を購入して、帰社。入稿の準備作業。

東京都現代美術館で撮影し、そのままカメラマンさんと打ち合わせ。

■ついでに同館で 「パラレル・ワールド もうひとつの世界」展を見る。二次元の材料で三次元を表した作品や、三次元の材料で二次元を表した作品など。期待したほどの刺激ではなかったが、2つ印象に残った。ダニエル・ギヨネによる「バグ」。街の映像にCGで奇妙な生き物を合成した作品。子供の頃、落書きをしたときに味わった、わくわく感を思い出させられる。もう一つは、名和晃平さんの白い部屋のインスタレーション。生々しい剥製を、抽象的にしてみせる。
しかし、「パラレル・ワールド」という意味では、クラフト・エヴィング商會による書籍や、青木淳さんの建築のほうが、はるかにうまくパラレルワールドを表現しえているのではなかろうか、と感じる。
更に、常設展も駆け足で見る。ヤノベケンジさんや小谷元彦さんの作品が目に留まる。過剰さや細密さを持った作品は現物を見ると引き込まれる。

なお、開催中のジブリの展覧会は見なかったが、時間をわけて入場制限するほどの大変な人気だ。

http://www.mot-art-museum.jp/kikaku/114/
http://www.yamamotogendai.org/japanese/artist/newwindow/odani/14.html
http://www.yanobe.com/
http://jack.lomo.jp/ce_union/index2.html

■一日、入稿作業。

■ところで、私たちがある人と一緒に仕事をしたいと感じるか否かは、「その人のスキルの高さ」よりも、むしろ「同じベクトルを共有しながら、互いが気付かないような視点からアイデアを出し合えるか否か」に左右されると思う。特に、「同じベクトルを共有」できることが重要。敢えて今さら書くまでもない、当然の話かもしれないが。そういう方とお仕事をできたときは、うれしい。

■建築感のGENETOさんから、奥沢の住宅プロジェクト「DG HOUSE」の情報をいただく。住人3名、敷地面積140.38平米とか。奥沢のどの辺だろう。