打ち合わせ2件 メイド喫茶

■同僚と企画に関する話などする。午後、色校正など。次号の取材準備でライターさんと打ち合わせ2件。ライターさんが取材対象や企画趣旨に興味をもってくださり、取材が楽しみになってくる。

■ちょっと体を動かし、気分転換。

■会社から歩いて数秒の至近距離にメイド喫茶らしき店舗が、確か半年ほど前にオープンした。自分だけでなく、同僚たちもその店の存在や繁盛ぶりに若干興味を持っていたことが最近分かったため、同僚7人ほどで初めてその店を訪れてみた。
店内には、12、3ほどの席があり、2人のメイドさんと4人のお客さんがいた。1人でくるお客さんが多いようだ。私たちはそこに7人で押しかけるという迷惑な客であるにも関わらず、そこにいたお客さんたちは席を移動して私たちの席をつくってくれたり、「じゃあ、僕そろそろ帰ります」とまで言い出す方もいて、その大変な親切さに一同驚き、恐縮した。
まして、こういう「聖地」のようなお店に、興味本位の客が現れたら、普通、彼らに対し常連客の方は「なんだコイツら」と思うのではないかと予想していたのだが、そんなことはまったくなく、むしろ店内には一種の「優しさ」という空気が充満していた。

店内の空気の100%が、「優しさ」で構成されていた。メイドさんも客も、そして客同士も、決して相手を否定することなく、常に相手に賛同し、相手をフォローし、相手を気遣う。そして、相手に対しても、自分へ向けてそうした言動を無言で求めている(ように見える)。互いに暗黙の安全保障を取り結んだような関係に支えられたその空間では、相手に反対意見を言ったり、相手を傷つけるような言動は、おそらく発生しない。

店内には、ガラス戸一枚を隔てた外界とは隔絶され店内で完結したような「100%優しさ」の空気が流れる続ける。

反意を示される可能性がほぼ完全に排除された世界の中で得る賛同とは、いったいどんな感触だろうか。そこまでは、感受できなかった。

1時間くらいお邪魔しただけなので、私の読み違いもあるかもしれない。


【追記 1:36 2008/09/12】
メイド喫茶で体感したこの独特の「優しさ」とは、言い換えれば、「『私は絶対あなたに反逆しない』というメッセージを常に相手に伝え続けて、相手を安心させ続ける言動」が作り出す空気、と言ってもいいかもしれない。
そして、この種の「優しさ」は、現代の20〜30代の人々の多くが、大なり小なり先天的に持っている。
ただ、昨日訪れたメイド喫茶の店内では、その「優しさ」があまりに先鋭化されていたから、目に留まったのだろう。

なお、「私は絶対あなたに反逆しない」というメッセージが求められるからこそ、メイド喫茶的な世界で消費されるキャラクターは、「メイド」であり「妹」であり「猫(の耳をつけた少女)」であるのではないかと感じた。