アルマーニホテル 東信さん 中谷芙二子さん

■取材にて、照明デザイナーのオンアンドオフ山口さんの事務所へ。カラーリングを活かす照明演出事例を伺う。本当に多岐にわたる物件を手がけられている。詳細は、9月号にて。
ジョルジオ・アルマーニ銀座オフィスに立ち寄り打ち合わせ。
■追加撮影で、青山へ。
■上野にて打ち合わせ。
■sinato大野さん取材。弦巻へ事務所移転後、初めてお邪魔する。桜新町駅から8分くらい。天井が高くスタジオという雰囲気。相変わらず、大野さんの話は明快でコンセプチュアル。
■入稿準備でオフィスにこもる。
■弟夫妻が我が家へ。楽しく歓談。
■ところで、先日ドバイ出張へ行った。5日間ほどの出張だったが、現地滞在は3日間。アルマーニホテルを撮影。ジョルジオ・アルマーニ日本支社の方々やホテルスタッフの方々に大変ご協力をいただき、じっくり撮影。カメラマン梶原敏英さんにも、酷暑の中、大奮闘していただく。
日中は、40度を超える気温で、炎天下を歩くのは、5分か10分が限界。湿度も高く、水分をかき分けて歩いているような感覚。かわりに室内は強烈に冷房が効いており、その温度差でよけい疲れる。室内から屋外へ出ると、カメラのレンズが曇ってしまい、屋外の撮影にてこずった。
ホテルの内装デザインは、ジョルジオ・アルマーニ氏の美学が隅々にまで反映されている。客室通路にはドアノブなどの突起物が一切なく完全にフラット。客室も共用部も、家具はすべて「アルマーニ カーザ」で統一。ソファのファブリックにはアルマーニ氏の好きな竹の柄が使われていたり、共用部の壁面は屏風のような金のファブリック張りになっていたりと、どこか日本人にも親近感のあるデザイン。
規模の大きなホテル事業に進出しても、アルマーニ氏が細部までチェックして、OKが出ないとオープンできない。その徹底ぶりは、ホテルスタッフも驚くほど。つまり、ジョルジオ・アルマーニというブランドは、どんなに事業拡大しても、企業的な組織になるのではなく、あくまでアルマーニ氏というカリスマの率いるアトリエである。ホテルに宿泊してみて、そのことを強く感じた。
ビルの平面形状が曲線的であるため、それを取り込んで、客室内も曲線的なプラン。そのため、客室プランをあまりパターン化できず、同じクラスの部屋でも、ほぼ部屋ごとにプランニングが異なり、家具も異なる。相当コストとエネルギーが掛かっているはず。
ホテルは、160室と比較的コンパクトな規模ながら、五つのレストラン(イタリア料理、インド料理、日本食など)、更にナイトクラブ、ラウンジ、バーもあり、いろいろなシチュエーションで食事とお酒を楽しめる。ホテル外からの客も多い。
ホテルのスタッフやシェフの方々はフランス、イタリア、中国、韓国、インドネシアなどさまざまな国から集まっており、実にインターナショナル。日本人スタッフの方もいらっしゃいます。みなさん、とてもフレンドリーな雰囲気で、撮影にもご協力いただく。特に、イタリアンレストランの支配人、ロベルトさんが最高に明るい笑顔と気さくなおしゃべりでお客さんをもてなし、インパクト大。ロベルトさんのおかげで、ハイグレードな料理も行きつけのトラットリアのようなリラックスした雰囲気の中で楽しめるという、独特な雰囲気が生まれている。現地へ行かれた方は、ホスピタリティーの参考にぜひ。
ビュッフェ「mediterraneo」も美味しい。フランス人とおぼしきビュッフェレストランの支配人は、自らテキパキと動き、客の様子もよく観察している。アジア系のスタッフが毎日丁寧に個々のメニューの説明をしてくれて、コミュニケーションしながら選ぶ楽しみがある。
和食「Hashi」も美味しい。最初は、日本人シェフは在籍していなくて、韓国や中国のシェフが中心だと聞いていたので、どんな和食だろうかと若干の不安を持っていたが、焼き魚も天ぷらも刺身も味噌汁もご飯も、日本で食べるのと変わらない自然な味。聞けば、厨房を仕切る韓国人シェフは、長く日本のホテルやレストランで和食の修行を積まれたそう。日本語もペラペラ。ちなみに、ホールスタッフには日本人の方がいらっしゃいます。
来年には、アルマーニホテル第二弾がミラノにオープン予定。大変楽しみ。
撮影では、これらのレストランや客室をはじめ、ロビー、スパ、ボールルーム、ビジネスセンターまで、じっくり撮ってきました。10月号をどうぞお楽しみに。

ところで、往復はエミレーツ航空。シートが広いのでは、と期待していたが、そうでもなかった。片道約10時間のフライト。機内食は良かった。日曜日に日本を発つ便はおすすめ。機内がとても空いていたので、3、4席を一人で使って横になって眠れた。しかし、平日発の帰りの便は満席。
http://dubai.armanihotels.com

■機中、映画「The Invention of Lying」を見る。キリスト教のパロディー。舞台は、嘘や架空の話が存在しない、真実のみで成立している世界。その中で、うだつの上がらない脚本家が、ふとしたことから、死後の世界や神の存在について語るということを思いつく。彼の発言に無垢な人々が振り回される。という話。
宗教の持つバカバカしさをコミカルに描いており、ちょっと面白かった。わざわざ映画館で観るほどではないので、機中で観るにはちょうどいい。
■会議用の企画書をさらっとつくる。
■ひどい夏風邪でダウン。三日間寝こんでも治らず、苦戦した。こんなひどい風邪、小学生以来かもしれない。そして、まわりでも風邪の人が多い。みなさんもくれぐれも気をつけてください。
■グリーンデザイナーの東信さん取材。明快で一貫性のあるコンセプトで、作品づくりを続ける。「花を組み立てる」という発想、「幾何学的で人工的なものと草花を融合させる」という発想を追求している。わずかな取材時間に、示唆的で刺激的なお話がたっぷり。詳しくは10月号で。
http://www.azumamakoto.com
ディーゼルデニムギャラリーにて、シナト大野さんのインスタレーションを見る。一つのシンプルな原理が多様な空間を生み出すという意味では、大野さんらしい。2階では、シンガポールのデザインチーム「ファンク」のグラフィック作品を展示。建物や人物や文字がフラットに並べて描かれている。ポップなアニメ風の作品もあったが、よく見ると、戦争を思わせる要素も盛り込まれていたりする。幸せも不幸も、ドライにフラットに描いているように見える。
http://www.diesel.co.jp/denimgallery/index.html
■青山の「Cargo Rice Kitchen」へ。玄米ご飯はなるほど美味しい。青山通りから細い道を少しだけ入った場所だが、都会の喧騒から離れた感じが居心地よい。価格帯がやや高いか。
http://www.shibajimu.biz/news/2010/08/cargo-rice-kitchen.html
■パリと東京を往復しているカメラマン萩原さんと打ち合わせ。パリのイベントの撮影について。
■パリ在住のジャーナリスト浦田さんと電話打ち合わせ。
■社長と700号記念特集の打ち合わせ。
■建築批評家の金子さんと、ナカサ&パートナーズへお邪魔し仲佐さんと打ち合わせ。じっくり2時間半お話を伺う。バブル期のお話やDCブランドブームのお話など、興味深い証言が次々と。
http://www.nacasa.co.jp
■infix間宮さんに渋谷の事務所にて取材させていただく。上海万博の料亭について。絶妙なコンセプトを立案し、適材適所にいろいろ人の協力を得ながら、全体をうまくディレクションされている。
http://www.infix-design.com
虎ノ門キッコーマンのオフィスにお邪魔し広報の方に取材。上海万博に出店中の日本料理店について。中国の人々に醤油の魅力を知ってもらうプロジェクト。料理人は、京都の3軒の高級料亭から集結しており、超豪華。お一人様3000元なり。
なお、広報の方がスピーディーで明快な回答をしてくださり、リズム感のいい密度の高い取材。こういう的確かつアップテンポな取材ができると、終わった後に爽快感がある。
http://www.kikkoman.co.jp
■ホテルなどの宿泊施設を全国展開するリゾートソリューションのオフィスにお邪魔し取材。靴を脱ぐスタイルと快眠ベッドにこだわり、ビジネス系ホテルをリニューアル。
http://www.resol.jp
■霧を使ったインスタレーションで知られるアーティストの中谷芙二子さんの、原宿駅から近いご自宅兼事務所にお邪魔し取材。上海の「料亭 紫」の中庭に中谷さんの作品が設置されている。アメリカの農業用噴霧器を製造しているメーカーが製作するオリジナルのノズルを使って霧を発生させており、上海では水質の違いから、多くの試行錯誤をなさったそう。「自然が私たちに与えてくれるものを、五感で感じて欲しい」というメッセージが印象的。詳細は、10月号にて。