icrattバーガー カフェハウス Di Punto

ここ数週間。

■恵比寿のハンバーガーショップ「icratt 恵比寿店」にてハンバーガーを食べる。ジューシーな肉とサクっとしたパンが最高。駅から12、3分歩くが、大変おすすめ。
内装デザインは、アーキコンプレックスの廣瀬さん。店内のいたるところに映像モニターが取り付けられている。
http://www.icratt.com
http://r.gnavi.co.jp/e941700
http://www.archicomplex.com


■品川駅構内にて、マーケティング機能を持つ自動販売機を見る。デジタル技術を使って、客の属性を識別しておすすめの飲み物を提示したり、POS機能を搭載していたりする。考えてみれば、こうした自動販売機はもっと早く登場しても良さそうだが、WIFIなど通信インフラの整備によって可能になったのだろうか。
なおデザインは、プロダクトデザイナーの柴田文江さん。

■池袋西武にて「光の時計」を見る。LED11000個の電光掲示板。
https://www2.seibu.jp/wsc/010/N000035233/1526/info_d_pv

■たまプラーザへ行く。駅前開発の第三期がオープンした。
東急が運営するカルチャースクールを設計者さんに案内していただく。
駅前はとても明るく賑やかな雰囲気になった。午前中は、駅前周辺にはベビーカーを押したお母さんが多い。広場など子供の居場所もたくさんある。都心に出ず、子供と一緒でもこれだけ買い物を楽しめるのは魅力だろう。ただ、田園都市線で渋谷方面へ通勤するとなると、朝の通勤ラッシュは相当つらそうだ。
駅前のクリスピードーナツが空いていたので、初めて食べてみた。2個食べたが、やや甘過ぎた。それにしても、なぜこんなに生地がモチモチしているのか。増粘多糖類が使われているのだろうか。

■京橋にオープンしたAGCショールームのオープニングレセプションへ。
設計者の乾久美子さんにもお会いする。なぜ、2階の多目的スペースでブルーとオレンジ色のガラスを用いたのか伺ってみた。青は空の色、オレンジは夕日などの色で、自然のイメージ。またブルーとオレンジは補色の関係で、色を打ち消しあう。その二つの色が重なると色がなくなったように見える。というような明快な説明をしてくださった。
あるものがないように見えたり、ないものがあるように見えるという、乾さんらしい一貫した試みだ。
なお、ショールーム1階では、高機能ガラスの断熱効果や防音効果を体験できるコーナーもある。
http://www.agcstudio.jp/

■赤羽橋にてバーの撮影。シンプルな空間構成だが、10m近いロングカウンターがあり、それを囲んでグループでわいわい飲んだら、とても気持よさそう。そんな情景が浮かぶお店だった。設計者であり、このバーのオーナーでもらう村田稔さんに、定休日なのにお店を開けていただき、撮影させていただく。12月号にて。
豊洲にて「カフェハウス」へ行ってみる。複数の建材メーカーのショールーム機能を兼ねたカフェダイニング。テラスや庭があり、簡素だが気持ちのいい空間。庭ではバーベキューをやっている人たちもいた。
http://cafehaus.jp

豊洲ららぽーとにて、メガネショップ「ジンズ」を見る。インタラクティブアートのような仕掛けを用いた店舗。その仕掛けに興味を示すのは、だいたい子どもたちで、大人は素通りする人が多い。
http://www.jins-jp.com/

■銀座にて、老舗ネクタイショップ「田屋」を見る。街路が店内に延長しているような独特のスケール感を持っている。そのためか、老舗なのに入店しやすい。目線の高さの部分に、ミラーやショールームなどアイキャッチとなる要素を連続させている。
設計は建築家の千葉学さん。
http://www.ginza-taya.co.jp

■銀座の「Di Punto 銀座三丁目店」にて食事。自家製パン、自家製ピザ、蒸し野菜、チーズ入りオムレツなどなど、どれも最高に美味しい。居心地もサービスもいい。お酒を飲まなかったので、一人2000円ほど。週末は予約でほぼ満席のようだ。とてもおすすめの店。
サントリーとプロントが共同開発した業態。「Splitz'Aoyama(スプリッツ アオヤマ)」しかり、サントリーが新規開発する飲食店は、素晴らしい。
設計者は、ミュープランニングアンドオペレーターズの尾崎さん。
http://www.dipunto.com
http://topics.blog.suntory.co.jp/002603.html
http://r.gnavi.co.jp/g045635/

■日比谷の「Cafe&MealMUJI日比谷」にてお茶。奥にソファ席があることに今まで気付かなかったが、このソファ席はゆったりした空間で、なかなかよい。
http://lbs.mapion.co.jp/map/uc/PoiInfo?vo=mbml&grp=muji&store_div=%25D007%25&poi_code=045183
■記事や原稿をつくるとき、つねに念頭に置いている理念がある。その理念を、実に的確に明快に表現してくれる一文を見つけた。
「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く」。まさに膝を打った。井上ひさし氏の言葉だそう。新聞の読書欄を見ていたら、ある記事の中でこの言葉が紹介されていた。この文章自体、なんと的確で無駄のない美しい一文だろうか。

■『純粋理性批判1』(カント/光文社古典新訳文庫)を読む。
中山元さんの訳により、大変読みやすくなっている。しかも、後半4割くらいのページを割いて解説が付されており、とても親切。

カントは、二つの要素に分けながら思考を進めていく。「感性/知性(悟性)」「物自体/現象」「アプリオリな認識/アポステリオリな認識」「分析判断/総合判断」「直観/概念」。そしてカントは、「アプリオリな総合判断」は可能だろうか、と問う。カントの言葉で言えば「絶対に必然的で普遍的に妥当する真理に到達することができるのか」(p.126)と問う。どうやらこの問いが、『純粋理性批判』全体のテーマのようだ。理性の適用範囲と限界を仔細に証明しようとする試みは、エキサイティングだ。

本書は、『純粋理性批判』を7分冊にしたうちの1巻であり、本書ではおもに「感性」の説明にあてられている。ある現象を人間が直観する際に用いられる「感性」という機能は、人間の内部に最初から備わる「空間」「時間」という二つの形式からなっている。その形式を通してしか人は事物を認識することができない。

その他、本書には、この純粋理性に関する研究がいかに重要かも延々と書かれている。
きっと出版当時は、驚きの書であっただろう。2000年以上に渡る知の営みを、根底から「ちゃぶ台返し」してしまような内容なのだから。例えるなら、その驚きはきっと、天体望遠鏡を使って星に関して長年研究してきた人が、「その望遠鏡、少し壊れてますよ」と指摘されたときの驚きに似ているのではないか。

まだ7分冊のうちの1冊に過ぎないのだが、今後が楽しみ。

純粋理性批判〈1〉 (光文社古典新訳文庫)

純粋理性批判〈1〉 (光文社古典新訳文庫)