企画書 伊志嶺翔大 『停電の夜に』

こんにちは。
 
■会社でさくっと企画書づくり。「事例に基づいた妄想」が頭の中で暴走しはじめると、あっという間に企画書が出来上がる。大袈裟に言えば、企画書をつくっている最中はいつも、「ああ、なんて面白い企画なんだ。ボクが読者なら絶対買うぞ」と思っているのだけれど、数日後にその企画を人に見せたり、自分で見なおしたりすると、好評な場合もあるし、イマイチな場合もある。でも、いずれにしても、「事例に基づいた妄想」がドライブしないと、企画書が出来上がらない。
 
iRiverの「T8」という音楽プレイヤーを使い始めた。これは便利だ。5000円強で、シンプルな機能。持っていることを意識しないくらい軽い。操作もシンプルで明快。扱いやすい。パソコンにUSB接続しておけば2時間くらいでフル充電できる。語学に便利な部分リピート機能まで付いている。容量は4GB。
要するに、USBメモリーの中に音声ファイルの再生ソフトが入っているという感じのもの。
音楽なら1000曲くらい入るようだ。「iPodほど本格的でなくていいから、とにかく手軽に外で音楽や語学講座を聴きたい」という人に大変おすすめ。
http://www.iriver.jp/product/iriver/t8/

千葉ロッテマリーンズの新人、伊志嶺翔大のバッティングが素晴らしい。柔らかいスイングで変化球をセンター返ししてみたり、新人とは思えぬベテランのようなバッティングだ。しかも俊足。いい一番バッターになれるかもしれない。今後の成長が大変楽しみ。

■ネットサーフィンをしていたら、面白いプレゼンテーションを見つけた。Jason Friedという人が、「Why work doesn't happen at work」というタイトルで15分のプレゼンテーションをしている。
内容は、三つ。まずは、人は集中して仕事をしたいときにオフィスを選ばない(つまり、ほとんどの人はオフィスで生産的で意味ある仕事などできていない)という指摘。次に、その要因は「M&Ms(managers&meetings)」であるという指摘。そして、最後にその状況への簡単な対策案。
http://www.ted.com/talks/jason_fried_why_work_doesn_t_happen_at_work.html
ここ数年、僕が感じていたことなので、全面的に大賛成。というより、ごく当たり前の指摘だと思うのだが、この問題がわざわざ指摘されるのは、日本でもアメリカでも多くのオフィスで同じ愚が日々繰り返されているためだろう。特にクリエイティブな成果物を事業の柱としている企業において、この愚に気付かない(あるいは気付いても改善できない)企業は早晩消滅するのではなかろうか。
改善するには、マネージャーがスタッフを信頼せねばならない。だから例えば、万一、マネージャーが、スタッフを逐一監視することによって仮初めの安心と自己満足を得るという低いマネージメントのセンスしか持ち合わせていなければ、改善は難しい。無論、スタッフの側も、自由度の高い働き方を活かすことのできる自己管理能力とプロ意識が必要だが。
ところで、ここでJason Friedさんが提唱しているような働く環境の作り方については、確か以下の本でも似たような指摘がなされていたと思う。
『社員をサーフィンに行かせよう』(イヴォン シュイナード)
『面白法人カヤック会社案内』(柳澤大輔)
『「残業ゼロ」の仕事力』(吉越浩一郎)  などなど。
 
■『停電の夜に』(ジュンパ・ラヒリ新潮文庫)を読む。
なんとも大変に上質な短篇集である。味わい深い小説が好きな方には、お薦めの一冊。九つの短篇が入っている。
ベンガル人の両親を持ち、ロンドンで生まれ、アメリカで育った著者の生い立ちのせいか、登場人物たちには常に、その場における居心地の悪さや馴染めなさが漂っている。この宙吊りな感覚に病みつきになる。
また、近づき合ったり離れ合ったりする人と人との距離感(特に夫婦や男女の距離感)が、絶妙に描かれている。例えば「停電の夜に」や「病気の通訳」では、近くにいるのに心が離れている夫婦関係が描かれ、「ピルザダさんが食事に来たころ」では、遠くにいるのに心が近くにある関係が描かれている。
ところで、小池昌代さんの小説を読んだ時と似たような読後感を持った。それは、僕たちは、毎日の何気ない日常生活の中で、小さな喜びや小さな悲しみや小さな違和感をたくさん感じながら生きているのに、僕たちはそれを忘れたりやり過ごしたりして生活しているのだということ。ジュンパ・ラヒリ小池昌代の作品には、そんな小さな喜びや小さな違和感を感じた瞬間が、忘れられずに描きとどめられている。
それにしても、作中で、女性は強く繊細に描かれているが、男性は頼りなかったり狡かったり、悪く描かれている。

停電の夜に (新潮文庫)

停電の夜に (新潮文庫)