◆「100本のスプーン あざみ野ガーデンズ店」の内覧会へ。

「あざみ野ガーデンズ」は、スポーツ施設と店舗群で構成される郊外型商業施設。今月初旬にリニューアルオープンしました。敷地内には、テニスコート、フットサルコート、ゴルフ練習場などがあります。
オープンした店は16店舗。その一つが、10月3日オープンの「100本のスプーン」。スープ専門店「Soup Stock Tokyoスープストックトーキョー)」が運営するファミリーレストラン業態です。1店舗目の「神戸三田プレミアム・アウトレット」は昨年7月にオープン。今回が2店舗目。3店舗目の「イオンモール幕張新都心店」は12月20日にオープン予定です。
  
まず、空間デザインから見てみましょう。
ファサードが、戦略的な意味で、よくできています。遠くから見ると、大きな板が立っているように見えます。そう、こうした郊外のだだっ広い敷地に一棟独立型の商業施設を建てる場合、「遠くから見た場合に、どう見えるか」という観点は大変重要です。当然ながら、お客さんは遠くから見て判断するからです。特に、この「100本のスプーン」は、入り口から遠い奥の区画に立っています。もし遠くから見た場合にお客さんの興味を惹かなければ、お客さんは店まで来てくれません。その点、この店の外観は、遠くから見られることを前提にデザインされているように見えます。
では、どういうふうに見えるのか。まず、敷地内に立つ他の店舗とまったく違う印象を生み出している点がポイントです。こうした店舗点在型の郊外の商業エリアでは、たいていの店は、舞台の書割のようなチープな家型の建物を建てます。「100本のスプーン」は、それらとまったく異なる外観をつくることによって、他店との差別化を図っています。そうして差別化をした上で、大きな板のように見えるファサードが、ナチュラルさ、素材感、温かみなどのポジティブなイメージを放っています。
そして、もう少し近づくと、ガラス越しに厨房と客席が見え、カフェかカジュアルダイニングであることが識別できます。あるいは、ファサードに設置された「100本のスプーン」という大きなサインからも、そのことが分かるかもしれません。
  
店内に入ると、郊外型のスポーツ公園にふさわしい、のびのびした空間が広がっています。内装は、シンプル。テーブルとイスには、ファサードと同様、素材感のある温かい木材が使われています。
そして、店内に入ってからの驚きの要素が、大きなテラス席です。これもデザイン上の戦略かもしれませんが、この店に正面からアプローチして入店すると、店内に入るまでテラス席がまったく見えないようにデザインされています。そのため、入店してから、庭に向かってメガホンのように大きく口を開けたテラス席を見ると、驚きを味わえます。テラス席には、犬のリードを繋ぐフックも用意されています。
  
なお、メニューのコンセプトは、「懐かしい洋食をベースに、さまざまな“ソース”を味わっていただく料理」とのこと。
看板メニューは、オマール海老を使ったメニューですが、今回は、ラタトゥイユカレーを注文。スープストックトーキョーが大好きな私としては、食べ慣れた味で、とても美味しくいただきました。魅力的なメニューがたくさんあり、どれも挑戦してみたいです。
さて、この店をとても気に入っただけに、敢えて一つだけ難点を言えば、もしかするとどのメニューも後味が似ているのではないか、という点です。スープストックトーキョーのノウハウを活かしているせいか、ラタトゥイユカレーも、スープストックでスープを飲んだ時の後味に似ていました。更に、「これまで培ってきたスープ作りのノウハウを活かしたさまざまな“ソース”を味わう料理」と謳っていることから察すると、もしかすると、ベースになっている味が多くのメニューに共通しているのかもしれません。もしそうだとすると、せっかくたくさんのメニューがあっても、なんとなく早く飽きがきてしまい、リピーターが来店する間隔が空いてしまうのではないかと懸念されます。他のメニューを食していないので確実には言えませんが、今後、機会があれば他のメニューもいただいて研究してみたいと思います。
  
いずれにせよ、田園都市線沿線にお住いの方を中心に、ファミリーの方などに大変オススメのお店です。秋の晴れた日に、立地も含めて、とても気持ちよさそうです。
  
   
100本のスプーン あざみ野ガーデンズ店
神奈川県横浜市青葉区大場町704 - 60 あざみ野ガーデンズ内
営業時間:平日10:00 〜 22:00 土日祝9:00 〜 22:00
定休日:不定
座席数:178 席 (店内146 席・テラス32 席)