仕事の場面における能力とは、いったいどんなものなのか。
学生時代の受験勉強においては、人は「学力」で評価される。
社会人になって数年(新人と呼ばれる時期)は、主に「個別の業務スキル」で評価されるだろう。
「個別の業務スキル」というのは、雑誌編集という仕事であれば、「企画力、特集を構成する力、インタビュー力、原稿執筆力、撮影ディレクション力、レイアウト力、校正力など」である。
しかし、その後の仕事人生において、人は、「学力」「個別の業務スキル」以外の能力によっても評価される。それを、仮に「能力X(エックス)」と呼んでおこう。
そして、仕事における成果物のクオリティーは、その人の「能力X」によって大きく左右される。
「能力X」というのは、具体的に言うと、例えば以下のような能力だ。おそらく他にも挙げられるだろう。また、職種によって、求められる「能力X」が異なるかもしれない。
- 明るく元気で前向きである。【挨拶力】
- 「目の前にいる相手(または、目の前にはいないお客さん)に向けて価値を提供したい」と強く思っている。【サービス精神】
- 相手(クライアント、上司、雇用者)の発言の真意を汲み取り、「それならば、こういう方法や解決策がありますよ」と建設的に提案することができる。【斟酌能力、創造性、対話力】
- 幅広い出来事や現象に対して、「なぜこのようになっているのか」「なぜ、このようになっていないのか」と疑問を持ち、粘り強く考え、自分なりの仮説を立てることができる。【驚き力、疑問力】
- 自分が構想していた仮説に反するような事実や意見に遭遇した時に、その仮説を柔軟に修正することができる。【柔軟性、客観性、科学的精神】
「能力X」の多寡は、「学力」「個別の業務スキル」に裏打ちされてはいる。けれど、「学力」「個別の業務スキル」がいくら高くても、「能力X」が不十分であると、その人は、仕事の場面で十分に力を発揮することが難しいだろう。
逆に、「能力X」が高いと、「学力」「個別の業務スキル」の不足を、ある程度補うこともできる。例えば、【挨拶力】【対話力】【疑問力】【柔軟性】を持っていれば、スタート時点で「個別の業務スキル」が多少低くても、周囲の人からたくさん学び取ることができて、着々とスキルを伸ばしていくことができる。
さて、では、どうしたら、面接や筆記試験で上記のような能力も持つ人材を見抜くことができるのだろうか。面接や筆記試験だけでは不十分で、グループディスカッションなどによって見抜くべきなのか。
さらに、上記のような素養を子供に自然に育ませるとしたら、どのような方法があるのだろうか。(子供の人格形成を、親が理想視する人物像に無理やり方向付けようとは、あまり思わないけれど、上記のような能力を持っていたら、幸せな仕事生活が送れるのではないかと思う)
その最大の教育方法は、周囲の大人(まずは親自身)が、そのような素養を持つことだろう。
というわけで、まず私自身が、日々精進せねば。。。(^ ^)