【ミュージアム訪問】パナソニックミュージアム「松下幸之助歴史館」と「ものづくりイズム館」

ミュージアム訪問】
大阪府門真市にあるパナソニックミュージアム松下幸之助歴史館」と「ものづくりイズム館」を訪問しました。非常に見応えがありました。
 
松下幸之助歴史館」は、経営者・松下幸之助の一生を描くと同時に、日本における20世紀という時代の変遷や、パナソニック松下電器産業、ナショナル)という企業の歩みも感じさせます。
わずか9歳で生家を出て大阪市内の商家に丁稚奉公へ行くというスタートからして、現代の社会と大きく状況が違い、衝撃を受けました。その後、自転車販売店で働いて商売を覚えたり、電気工事の仕事を通して、これからの時代に電気製品が重要であることに目覚めたりします。やがて松下氏は22歳の時、電灯に関する改良型の器具を製造することにより自らの商売を起こします。それ以降、何度かの危機がありながらも、人口増、経済成長、生活の電化などの波に乗り、自身の立ち上げた会社を巨大なグローバル企業へと成長させていきます。
展示内容は、時代順に7つのステージに分かれており、見やすいです。各パネルには、イラストが添えられているため、ストレスなく文字情報を読んでいくことができます。
自社の売り上げが落ちた時に経営者がどのような判断をすべきかなど、経営者に参考になりそうな松下氏の発言が随所に散りばめられています。
特に印象的だったのは、受注が半減した時に、工場労働者の給料は減らさずに作業時間を半分にしつつ、上層部の社員に休日返上で商品を営業してまわらせたこと。松下氏が、短期的な損失に惑わされず、長期的な視点で人材の重要性を深く理解していたことをうかがわせます。このコロナ禍において、改めて松下氏の価値観や発言をたどり直す価値がありそうです。
  
一方、「ものづくりイズム館」は、パナソニックの製品の歴史にスポットを当てた資料館です。文字情報の分量を最小限に抑え、実物を見せていく展示構成としているため、「勉強」よりも「体感」の要素が強い展示内容になっています。
円弧状のバーティションでテーマごとに空間が緩やかに区切られているため、リズム良く見ることができます。
展示物を見ていて感じたのは、自分の人生の中で、それがパナソニック製品であることをあまりはっきりと意識しないまま、冷蔵庫、テレビ、ラジカセ、デジカメなど、さまざまなパナソニック製品を使っていたということ。もしかすると、多くの人が「これ、若い頃、使ってたなあ。懐かしい」と感じるのではないでしょうか。もし、例えば、ソニーやダイソンの製品を使う場合、そのメーカー名を比較的強く意識しながら製品を使うのではないでしょうか。そうしたブランドと比較すると、あまり強い個性を前面に押し出さずに、それでいて日本人の日常生活が快適で便利になっていくことをあらゆる家電ジャンルから支えてきた。それがパナソニックらしさと言えそうです。
なお、「ものづくりイズム館」は、乃村工藝社の松浦竜太郎さんがデザインディレクションを手掛けており、「商店建築 2018年7月号」に掲載されています。
 
大阪へ行ったら、ぜひ一度立ち寄ってみてください。いろいろな学びがあると思います。
  
 

パナソニックミュージアム

 

 



#パナソニックミュージアム
#Panasonic
#松下電器産業
#ナショナル
#松下幸之助歴史館
#ものづくりイズム館
#経営の神様
#商店建築