『年収100万円の豊かな節約生活』

■『年収100万円の豊かな節約生活』(山崎寿人/文藝春秋)を読む。
著者は20年ほど無職の生活を送ってきたそうだ。若干の家賃収入があるという。
確かに、仕事もせず、なるべく外出もせず、なるべく何もしないという生活をすれば、出費はかなり抑えられそうだ。
ただ、自分だったら、仕事はしていたいなあ、と思った。仕事をしていないと自己肯定感を得られないから、つらそうだ。そう思う時点で、修行が足りないのかもしれない。
僕がこの本を気に入った理由は、節約と豊かさを同時に追求しようという著者の姿勢に共感するからだ。定職があろうがなかろうが、この姿勢に共感する人は多いのではないか。
 
世の中の多くの人が、収入が上がらずに節約を強いられる現在、あるいは、若い世代を中心に出費を抑えてシンプルライフを目指す人が増えているように見える現在、著者のスタンスと本書で紹介される具体的なレシピや生活術は参考になるかもしれない。
 
どのくらい生活をシュリンクさせるかは人それぞれだろうが、もし極限までシュリンクさせるのなら『TOKYO 0円ハウス0円生活』(坂口恭平/大和書房)で紹介されているようなホームレス生活が参考になるかもしれない。
 
ところで著者は、この本の印税で年収100万円生活から脱するのだろうか。
 

年収100万円の豊かな節約生活

年収100万円の豊かな節約生活